先日、「坂上忍、家を建てる」を取り上げた記事で、外壁の汚れの話を取り上げました。
>> 坂上忍、家を建てる4
デザインが素晴らしくても、 10年もしないで、汚れてしまう、というのは、ちょっと切ないですよね。
そんなわけで、外壁で後悔しないように、これから何回かにわけて 新築木造住宅でお勧めな外壁をいくつか紹介します。
後ほど、メンテナンスが少なくてすむ、お勧めの外壁材も紹介していきます。
ただ、その前に、、、 基礎知識として外壁の種類について、お話しますね。
外壁の種類は、ふたつの分類方法があります。
今回は、通気工法か、直張り工法か?について話しますね。
通気工法か、直張り工法か?
外壁材をどのように設置するか?で分類することが出来ます。
つまり、「通気工法」にするか?「直貼工法」にするか?です。
実は同じ外壁材であっても、 「通気工法」と「直貼工法」を選ぶことが出来る場合があります。
もともと日本には、「直貼工法」しかありませんでした。
これは、柱の外側に防水紙を貼って、そこに直に外壁材を貼る方法です。
私が設計見習いの時(20年前)は、まだまだこの工法が多かったですが、 2000年に入ってから、通気工法が急速に普及しました。
特にサイディングの場合は、通気工法を採用しないと瑕疵担保保険に入れないこともあり、 ほぼ100%、通気工法となっています。
なぜ直貼り工法が減少し、通気工法が増えたのでしょうか?
当時の直貼り工法には、大きな問題がありました。 それは、外壁内に侵入又は発生した水蒸気の逃げ道がなかったのです。
冬、室内から壁内に侵入した水蒸気は、グラスウールを通過して、 外気に冷やされた外壁材にぶつかります。 当然、水蒸気は水になり、その水がグラスウールや構造材に接することで、 断熱性能の低下や、構造材の腐朽を招いてしまったのです。
それを解決するために、80年代に北海道に広まったのが、 通気工法です。

>>グラスウールで高断熱だと壁内はカビだらけ? ~気密性が高い住宅講座4~
室内からの水蒸気は、防湿気密シートによって、シャットアウトします。 そして、外壁材と、柱などの構造材を15mmほど離し空間(通気層)を作ることで、 図のように、壁内に生まれた水蒸気を外に排出できるようにしたのです。
この「外壁材と壁の間に空間を作る」というのは、防水の面でも有効でした。

上図のように、万が一、外壁材から水が浸入しても、通気層を通して、 外に排出することが出来るようになったからです。
このように良いことばかりの通気工法ですが、直張工法がなくなったわけではありません。 要は、水蒸気を外部に排出することが出来、防水上問題なければよいのです。
例えば、パワーボードは、直張りすることが出来ます。 パワーボード自体が、水蒸気を通しやすく、防水性も高いからです。
また、パワーボードは構造材としての性能や、断熱性能も比較的高いので、 直張することのメリットは大きいのです。

また、三井ホームの独自工法も、いわゆる通気層はありません。 (通気できるようにはなっていますが)
ので一概に、通気工法が良いとは言えないのですが、 最近、通気層なしの工法(三井ホームに近いもの)の外壁からの、 雨漏りが、建売を中心に増えているもの事実です。
ぶっちゃけ、通気工法であれば、多少外壁の施工精度が悪くても、 すぐには漏水にはつながらないのですが、 直張りや通気層なしの工法の場合は、施工精度を求められます。
建売住宅のように、「どのように施工しているのか?」が見えない場合は、 通気工法の方が無難ですね。
外壁材は主に5種類に分けられます。それぞれの特徴は下記で紹介してきますね。
1.サイディング系
2.ALC系
4.乾式タイル貼り系