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熱交換器の2つの種類を一級建築士が解説

一級建築士の船渡です。今回は、テーマは熱交換器とその種類です。熱交換器は、「全熱交換器」「顕熱交換機」の2種類があります。それぞれ解説しますね。

一級建築士 船渡亮
1971年生まれ。神奈川県出身。株式会社かえるけんちく代表。 複数の住宅会社で設計士として活動後、施主のための家づくりコンサルティング会社を設立。 家づくりは「理想の暮らしを実現するための手段」という信念の元、年間1000件の家づくり相談・間取り診断を行う。 1万人が学ぶLINE・メルマガやブログ、Youtubeチャンネルも運営、電子書籍も多数出版SUUMODIMEオリコンダイヤモンド不動産研究所など様々なメディアの監修執筆も行う。2023年11月には講談社で間取りに関する新書を出版予定。 法政大学卒。既婚、2児の父。
目次

熱交換器とは

新築住宅の場合、建築基準法の規制によって、2時間に1回、部屋の空気を全て入れ替えるよう計画されます。

ただ一般的な換気システムの場合(第3種換気)、冬は冷たく乾燥した空気が、夏は暑くて湿気の含んだ空気が、室内にそのまま入ることになす。これらの空気をエアコンを使って、せっせと暖める(又は冷やす)ことになるのですが、これはあまり省エネとは言えません。

またせっかく空調した空気も、2時間に一度は全部、外の排気するわけですので、いくら換気のためとはいえ、なんだか勿体ないです。

そこで室内の空気を排気するときに、 その熱を回収して外気を暖める(又は冷やす)ために使おう、 という発想が生まれました。

これが、「熱交換器型第一種換気装置」です。

例えば、外気が0度、室温が20度で、熱交換率が90%の場合。

通常は、20度の空気をそのまま排出してしまうところを、その熱を回収し、外気を18度まで暖めてから室内に入れることが出来ます。凄いですね!

さて、この「熱交換器型第一種換気装置」には、「全熱交換器」と「顕熱交換機」の2種類あります。

全熱交換器

画像引用:ローヤル電機

全熱交換器とは、排気する空気から「温度(顕熱)」「湿度(潜熱)」を再利用する換気システムです。同じ温度であっても、湿度が高い方が熱量が多いため、省エネ性は高くなります。

【メリット】
・梅雨時は除湿効果が望め、冬場は室内の乾燥がやわらぎます。
・夏場が高温多湿な地域におすすめです。

【注意点】
・浴室や、トイレ等の湿気と臭いの強い空間からの排気の取入れはNG。これらか個別換気にします。
・長年使用することによって、素子の交換が必要となる場合があります。

全熱交換器で有名なメーカーは、ロスナイ(三菱電機)sumika(マーベックス)せせらぎ(PEJ)ローヤル電機ベンティエール(ダイキン) 、日本スティーベル

です。

顕熱交換器

画像引用:日本スティーベル

顕熱交換器とは、排気する空気から、「温度(顕熱)」だけを、給気する空気に戻します。 湿度を交換しない分、全熱交換機よりは省エネ性は劣りますが、 お風呂など全ての部屋を換気計画に含むことができます。

【メリット】
・湿気も臭いも回収しない為、トイレや浴室の排気の取入れも可能。
・樹脂製の熱交換器が汚れてきた場合は、水で洗浄が可能。
・寒冷地やペットがいて臭いが気になる家庭でお勧めです。

【留意点】
・夏に外の湿度が高い場合は、湿気がそのまま室内に入ります。
・冬場は水廻りの余分な湿気を排出するので、建物全体が乾燥します。

顕熱交換器で有名なメーカーは、日本スティーベルですね。

どちらもメリット、デメリットありますが、 冬の乾燥を考えますと、 日本では、全熱交換器の方が、室内は快適だと思います。全熱交換器を作る会社も多いですね。


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熱交換器の仕組み

手書きでスミマセン、、、熱交換器の仕組みを図にしてみました。

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上の緑色が、外からのフレッシュな空気、 下の灰色が、室内の汚れた空気です。 真ん中にあるのが熱交換器です。オレンジ色の  が、熱、 水色の  が、湿気です。

この図では、 外からの空気が熱交換器を通ることで、 室内の温度や湿度に近い形で、給気できることがわかりますね。またフィルターで、花粉や、機種によってはPM2.5なども除去することができます。

熱や湿気は、すべてを戻せるわけではなく、 ローヤル電機の製品であれば、 熱は90%、湿気は67%を、戻すことが出来ます。

最近は、熱交換器を標準装備しているハウスメーカー、工務店も増えています。断熱性能だけでなく、換気設備についても注目してみると良いですね。

では!

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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