先日、かえる家づくりスクール会員のTさんから、基礎の型枠の存置期間についての、 質問がありました。
日曜日に監督さんとお話させて頂いた所、明日火曜日にベース生コン打設、翌水曜日or木曜日に立ち上がり生コン打設、 出来れば土曜までに型枠を外したいとの事でした。
土台敷きは2/4 ~5、上棟は2/7の予定です。
私自身色々なサイトを拝見した所、冬のこの時期は養生期間をしっかり取るのが相場だと思っていたので (5~8日程度でしょうか)、
型枠をこんなに早く外して大丈夫なのか確認した所、躊躇なく問題ないと答えられ、 それ以上返す言葉が無かった訳ですが、心配な所もありご相談させて頂いている次第です。
水曜日に立ち上がり部分の生コンを打設、 で土曜日に型枠を外すので、型枠存置期間は、三日弱、ということになります。
確かに、ネットの「ヤフー知恵袋」などには、様々な意見が出ていますが、それらは専門家でない人とかの話や、 経験上などの話も入っているので、あまり参考にはなりません。
そこで、客観的な指針として、フラット35の基準で回答させていただきました。
(一般的な基準と考えて良いです)
ちなみに、この会員様は私と同じ、神奈川県相模原市の方です。
『型枠の存置期間は、気温15°C以上の場合は3日以上、5℃以上15℃未満の場合は、5日以上、となっています。
ちなみに公共建築標準仕様書によると、 、0度を下回る場合は、8日間必要、ということになります。
ただ、これは平均気温なので、相模原の場合は、5日で大丈夫そうです。
今回の場合は、27日(水)に打設した場合は、2/1、28日(木)に打設した場合は、2/2まで、となります。
ので、この基準だけで見ると、やはり早い、と言えます。
2/2に型枠を外す場合でも、それ以降の工程には影響ないので、土曜日に外すのは、単純にコストの問題かと思います。
あとこれは、フラットの基準ではないですが、公共建築標準仕様書によると、コンクリートの圧縮強度が、5N/mm2に達していれば、せき板(型枠の横の部分)を外して良い、となっています。
恐らく、監督さんの根拠となっているのは、こちらかと思います。
では、5N/mm2を確かめるのはどうすればよいか、というと、圧縮強度試験を行ってもらうことです。
コンクリート打設時に採取した「供試体」を、破壊検査して、5N/mm2以上であれば、脱型はOK、ということにすればよいかと思います。
では、監督さんにはなんていえばよいか、というと、
「通常は、フラット35の基準などによると、5日間の養生期間が必要かと思います。 私としては、5日間の養生期間を設けてほしいのですが、 行程上などの理由でその前に型枠を外す場合は、圧縮強度試験を行い、5N/mm2以上の圧縮強度があるかを確認してから行ってください」
と話してみてください。「供試体」は、現場水中養生になります。
経験的には、恐らく、5N/mm2は達するのではないか、とは思いますが、最近、寒いですし、わからないですからね。
ではでは、よろしくお願いします。』
ハウスメーカーは、施工基準が厳しいので、割と大丈夫なことが多いのですが、工務店の場合は、監督さんの経験で現場を進めてしまうことが多いです。
監督に言わせると、
「普通、これでやってるよ」
というので済まされてしまうことって、あります。
しっかりした基準がベースにあった上での、「経験」や「勘」なら良いのですが、 これまで問題になってないから、良い、というのでは、施工管理とは言えません。
また、施主の立場から、施工的な部分について、監督に意見を言うときは、 なるべくセカンドオピニオンなどの専門家の意見を聞いた上で、話した方が、 話は通りやすくなりますね。
今回の場合も、Tさんが、
「通常は、フラット35の基準などによると、5日間の養生期間が必要かと思います。
私としては、5日間の養生期間を設けてほしいのですが
行程上などの理由でその前に型枠を外す場合は、圧縮強度試験を行い、5N/mm2以上の圧縮強度があるかを確認してから行ってください」
という部分をコピペして、監督さんに送ったら、すんなり、存置期間を延ばしてくれました。 まあ、こういう風に言われると、反論のしようがないですからね。
参考までに、ブログにも掲載してみました。
では!