地盤調査の結果「地盤改良が必要」となる確率は、3~4割以上と言われています。
ただし私が独立前、東京都の工務店で住宅設計をしていた場合、8割は「地盤改良必要」の結果が出ていました。
「地盤改良必要」となった場合には、高額の地盤改良工事を行う必要があります。
不同沈下が起きないため大事なことだとは分かっていても、見えない部分にお金を使うのは辛いですよね。
今回は、地盤調査をする前に、施主として知っておくべくことや、「地盤改良が必要」となった場合の対策について紹介します。
地盤改良が必要となるのは30%?
地盤のセカンドオピニオン「地盤ネット」によると、地盤改良が必要になるのは全体の30%程度だそうです。
ただこの数字は、「地盤ネット」が診断した場合の結果であって、他の地盤調査会社は違う判断をすることもあります。
つまり、「地盤調査」は、調査する地盤会社にとって判定が違います。
一般に、地盤会社は、
・地盤調査
・地盤解析・判定
・地盤改良工事
・地盤保証
をセットで行います。
この中で最も利益率が高いのが、「地盤改良工事」です。
ワンストップで地盤の全てを引き受けてくれるのは、住宅会社としては楽ではありますが、地盤会社の利益を追求する企業です。
「地盤改良必要」が出た方が、「地盤改良工事」が出来るので儲けも多くなります。
どうしても、安全側(地盤改良必要)の判定になることが多いようです。
[ad#ad01]地形によって地盤改良の確率は変わる
日本全体の地盤判定の確率が30%だとしても、地域によって地盤の良し悪しはあります。
前述のように、私が設計していた東京都や神奈川県の場合は、もっと割合が多いように思います。
ジオテック株式会社 の調査によると、地形によって、地盤改良判定に割合はかなり違いようです。
地盤改良の確率が高いのは、以下のように海や川に近い低地や砂地です。
(数値は、地盤改良必要判定の割合)
・海岸低地 :90%
・谷地:81%
・自然堤防:80%
・広域埋立地:60%
・旧河道:59%
水系(海、川、河、池、沼)、さんずい(流、浮、渡、波)、水田(田、新田、新開)が入っている地名は、軟弱地盤であることが多いです。
逆に地盤が良いのは、高台になります。
・台地:26%
・丘陵地:39%
高台を表す地名(山、岳、峯、峰、穂、台、丘、岡、塚、上、高)は、良好な地盤が多いですね。
地名で地盤を知る方法はこちらで詳しく紹介しています。

地質調査前に地盤を知る方法
地形や地名でざっくりと地盤の良し悪しはわかりますが、地盤のセカンドオピニオン「地盤ネット」が提供するサービスを利用すると、高い精度で計画地付近の地盤情報をしることが出来ます。
方法は簡単です。地盤カルテにアクセスします。
住所を書き込んで、次の画面でメールアドレスとお名前を登録します。
するとすぐにこのような画面になります。
私が住んでいるのは、相模原市中央区緑が丘ですが、地名の通り、良い地盤であることがわかりますね。
地盤カルテ以外にも、住宅会社が使っている地盤会社にお願いすれば、計画地の近隣の地盤状況を教えてもらえます。
役所の建築指導課でも地盤情報を公開していることがありますので、利用しても良いですね。
地盤改良工事の相場
地盤改良工事ですが、おおよそ60~120万円くらいが相場となります。
この金額は、工法や計画による違いはありますが、最も影響するのは施工日数です。
1日で終わる工事は、60万円、2日かかる場合は、120万円となります。
なぜ、このように施工日数が変わるのか?
要因は、以下の4つです。
・杭の長さ
・杭などの本数
・敷地の大きさ
・道路幅員等
もちろん、大きい建物や鉄骨やRC造など重い建物の場合には杭の長さや本数は変わります。
そのため一般的には、ヘーベルハウスのように鉄骨造の場合は、改良判定が出やすいといえますね。
逆に木造の平屋は軽いので判定は出にくいです。
通常は資金計画書に、「地盤改良費」として、100万円くらい計上しているはずです。
住宅会社に見積もり書をもらっている場合には、地盤改良費の項目を確認してみましょう。
住宅会社が事前調査して「必要ない可能性が高い」と判断した場合には、計上されてないこともあります。
念のため、なぜ計上されてないのか?を確認した方が良いですね。
地盤改良工事を安くする方法
地盤調査の結果、「地盤改良が必要」となった場合には、どうすれば良いでしょうか?
2つの方法があります。
1)地盤ネットにセカンドオピニオンを依頼する
1つ目は、地盤ネットにセカンドオピニオンを依頼することです。
住宅会社経由にはなりますが、地盤ネットに地盤調査報告書を送れば、1週間程度で地盤診断を行ってくれます。
診断費用は無料です。
セカンドオピニオンを行って、「地盤改良必要」となった場合は、改良工事をすることに納得はできるかと思います。「改良不要」の場合は、住宅会社の担当者と相談して、どのようにするかを決めましょう。
2)3社程度の相見積もりをとる
2つ目は、相見積もりをとることです。
同じ地盤でも、工法や考え方によって計画も見積もりも変わってきます。
複数の見積もりをとることで、どの工法が最適か?を理解できます。
例えば、
A社 柱状改良工事 60万
B社 柱状改良工事 70万
C社 鋼管杭工事 65万
となった場合、一番安いのは、A社の60万円ですが、将来的な撤去工事を考えた場合、5万円プラスで鋼管杭にできるのは魅力的です。
(一般に柱状改良工事は撤去が難しいです)
このようにただ「安い」だけではなく、相見積もりをすることで、工法と金額の両方を比較できるので、納得感も増しますね。
住宅会社の場合は、通常3社くらいは地盤業者との付き合いはあるはずです。
また見積もり依頼も、地盤報告書をメールするだけなので、5分程度で済みます。
ただ工務店によっては、1社しか付き合いがない、という場合もあります。
その場合は、こちらの地盤会社を見積もりに加えても良いかと思います。
私がお願いしたことがある大手の地盤会社です。
では!
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