木造新築住宅外壁の種類 ~セメントモルタル系~
~外壁材の分類~
1.サイディング系
2.ALC系
4.乾式タイル貼り系
5.屋根材系
今回は、3.セメントモルタル系です。
サイディングの時もはなしましたが、 戦後、防火性がある外壁材として、セメントモルタルの外壁材が流行りました。
当時は、通気層はなく、外壁に防水紙を貼って、 ラスという金網にモルタルを塗り、リシン仕上げ、というのが多かったようです。
現在は、通気層のあるタイプ、ないタイプどちらもありますが、 いずれも壁内の水蒸気は外部に出すような構造にはなっているようです。
仕上げの選択肢は、以前よりかなり増えました。 ジョリパットやマジックコートなどの有機系から、 カルクウォールなどのスイス漆喰、無機系のゲーテウォール、珪藻土など、様々です。
リシン仕上げの時は和風なテクスチャーでしたが、 現在は、どちらかというと、洋風な雰囲気の家に使われることが多いようですね。
Contents
セメントモルタル壁のメリット
1.高級感があり、自由な形状
一般的には、セメントモルタル壁の方が、質感があり、 高級感はあるように見えるようです。 また、自由な形状に対応出来るのも魅力的。 サイディングでは不可能な、アール壁も出来ます。
2.天然素材が使える
漆喰や珪藻土などの天然素材を使えるのも魅力です。 また、一般的に、無機系の天然素材を使った方が、 塗り替え頻度も少なくて済みます。 (30年程度不要な場合もある)
逆にジョリパッドなどの有機系の素材の場合は、 10年ごとに塗り替えが必要になります。
3.サイディングのような継ぎ目がない
サイディングのやALCの場合は、どうしても目地(シール部分)が出てしまいます。 目地がない、というのも、セメントモルタル壁の魅力になります。
セメントモルタル壁のデメリット
1.クラックが入りやすい
下地のモルタル自体が乾燥収縮を起こすためクラック(ひび割れ)が入るのですが、 それによって仕上げ材にもクラックが入ります。
有機系のジョリパッドですと、クラックに追随しやすい可とう性のある商品もありますが、 その場合は、すこしツルっとした質感になります。
2.職人によって施工精度にばらつきがある
サイディングなどと違い、職人の腕によるところが大きいです。 ので、建築会社がどのような左官屋さんを使っているのか? 得意なのか、不得意なのか?は確認した方が良いですね。
3.白華現象が起こる可能性がある
冬季の施工する場合は、白華現象といって、白い結晶(水酸化ナトリウム)が出てくる場合があります。 そのため、あまり濃い色を選ぶと、意匠性を損ねることがあります。
以上です。
価格的には、セメントモルタルだからと言って、特別高くなるわけではありません。 クラックなども、しっかりした業者であれば、そこまで怖がる必要もないので、 あとは、好みの問題だと思います。
主要なメーカー
アイカ(ジョリパッド)、ゲーテハウス(ゲーテウォール)、イケダコーポレーション(カルクウォール)
施工例

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