木造住宅の外壁の種類を紹介する連載の1回目はサイディングです。
1.サイディング系
サイディングは、羽目板や下見張りなど外壁にはる板材の総称です。
昔の日本ではこんな家がよくありましたよね。杉板が張られた住宅です。これも実はサイディングです。
でも、木製ですと防火的に問題があるので、戦後、火災に強い都市にするために住宅はモルタル仕上げにすることが多くなりました。
モルタル リシン仕上げ、です。
これに対して、昭和40年代から、主原料をセメントにして火に強くし、工場生産した現在の窯業系(ようぎょうけい)サイディングが発売されました。
当初は、割とツーバイフォーなどの輸入住宅や洋風なテイストの住宅に使われていることが多かったようです。
最近は、洋風以外にもモダンや和風など様々なテイストのデザインが揃っています。また窯業系以外にも様々な種類のものが発売されています。それぞれの特徴、メーカー、施工例をまとめました。
窯業系サイディング
窯業系サイディングとは、 セメント質材料、繊維質材料、混和剤、水で作られたサイディングです。 一般にサイディングといえば、窯業系サイディング のことを指します。
窯業って何のことでしょうか?
窯業(ようぎょう)は、粘土、ケイ砂、石灰岩などから陶磁器、瓦、ガラス、セメントなど、非金属原料を高熱処理して作るものを製造する工業で、窯(かま)を使用するため、窯業と呼ばれています。
つまり、窯業系とは、窯(かま)にセメント質材料、繊維質材料、混和剤、水などの材料を入れてかき混ぜたものを、成型して作ったもの、ということです。
ボールに小麦粉や卵、水を入れてかき混ぜてから、クッキーやホットケーキを作る、というイメージに近いですね。
セメント以外の材料を混ぜることで耐火性がありつつ、軽量化を実現しています。
窯業系サイディングは、外壁面の塗り替えや、ジョイント部分のシーリング材の打ち替えが必要になります。
以前は7~10年に一回は、塗り替え工事が必要でしたが、グレードによっては、15~20年に一回程度のメンテナンスで済むものもあります。
また、近年、旭トステムやニチハから、シーリングレスのサイディングも発売。これにより、メンテナンス頻度は、20年に一度となり、メンテナンスコスト削減や住宅の長寿命化が実現しています。
主要なメーカー
施工例
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金属サイディング
金属サイディングとは、成型された金属板と断熱材によって構成された外壁材です。
金属板には、ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金塗装板、塗装ステンレス鋼板が使われます。
特徴は、軽くて施工性が良いこと。 モルタルの1:10、窯業系サイディングの1:4の重量しかありません。 これにより、構造躯体への負担が少なくなります。
主要なメーカー
施工例
木製サイディング
昔ながらの杉板張りも、今も活躍しています。この場合も基本は通気工法になります。
最近は、準耐火認定を取得した商品もあり、木は火に弱い!というイメージは過去の物となりつつあります。
木製サイディングは、 防火地域のものは、薬剤処理した無垢材を使います。 その他の地域は、デザインの好みで塗装するか、無垢材のまま使うか、を選ぶことが出来ます。
メンテナンスは、塗装されたものは、5年に一回程度、塗り替えが必要です。 無垢材のままの場合は、そのまま経年変化を楽しむ感じです。
先日紹介した、レッドシダーの家や鎌倉パッシブハウスは、無垢材のまま木製サイディングを利用していますね。
主要なメーカー
樹脂サイディング
本体のシーリングが必要なく、しかも30年間塗り替えも不要、というのが樹脂サイディングです。 しかも意外なことに、防火認定も取得しており、準防火地域でも使用可能です。
さらにコストは、金属サイディングと同程度、ってことで、 夢の素材!!って感じですよね。
でも、、、関東地域ですと、あまり施工例を見たことがありません。 なぜか?
私はサンプルを見て、触ってみたのですが、、、 なんというか、ハリボテ感がするんですよね。 とても薄くてペラペラって感じがします。
また、デザインも輸入住宅系のものしかない、というのも理由かと思います。
ただ、そういうデザインが好きであれば、かなりコスパが高い外装材です。
主要なメーカー
施工例
以上です。
次回は、ALCについて、話しますね。 では!
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