一級建築士で家づくりコンサルタントの船渡亮です。私が間取り改善した「家事動線の良い間取り」をビフォーアフターで解説するシリーズ4回目です。今回は、「トイレ・洗面がLDから遠い間取り」を改善していきます。
間取り診断OBの完成写真
間取りの問題点(ビフォー)
Iさん夫妻は、コンサルタントの夫、教育関係の仕事を妻、2歳の長女の3人家族です。将来的にはもう1人子供が欲しいと考えています。
南側には公園があるため、眺望を活かすため吹き抜けを計画しています。
とても余裕のある玄関にはシューズクロークを配置して、表玄関は散らからないようにしています。またキッチンと脱衣・ランドリーが近いので家事動線は良さそうに見えます。
ただ洗面・トイレとLDKが遠いので、帰宅動線は長くなります。トイレを使う時に玄関を通る、というのも来客時の事を考えると、あまり良いとは言えません。
また洗濯物を収納する動線(脱衣→WIC)も若干、長いです。さらにI様は、子供の寝かせたりするために和室を希望していますが、この間取りには入っていません。
そのため、このように改善しました。
間取り改善(アフター)
和室のスペースを確保するために、シューズクロークは中止して、玄関框を広くしました。これなら来客時に靴を左側に寄せれば、散らかった感はなくせます。
またリビングの階段の上り口を変更し吹抜けの開放感をアップしました。
その上で、タタミコーナーを中心とした回遊動線を採用しました。帰宅後の手洗いをした上でキッチンに入る(又はキッチンに収納してから手洗い)というのも容易です。
キッチン・パントリー・洗面・脱衣が一直線のため、家族の様子もわかり家事動線も明快です。脱衣とタタミコーナーが近いので、家事室的に使うことも出来ます。
タタミコーナーは布団を2組敷けるスペースは確保しているので、子供だけでなく客間としても使えるようにしました。タタミコーナー設置と動線を優先したため、若干、収納は減りましたが、現状の洋服・モノが少ないので問題ありません。
完成後、Iさんのご自宅にお招きいただいた様子をこちらの記事にまとめています。
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