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完成事例紹介06:中央吹抜けの家事ラクな家(滋賀の工務店 ARCH)

一級建築士で間取りのセカンドとして活動する船渡亮です。

2020年にプレミアム動画間取り診断に参加して、2021年に家が完成した滋賀の林さんの事例を紹介します。

夫の転職が落ち着いた段階で、そろそろ持ち家が欲しいと思い始めました。

マンションという選択肢もありましたが、将来的な建て替えなど組合で決めなければならないのが億劫なので、土地を購入して注文住宅を建てることにしました。

当初は京都で土地探しをしましたが、あまりに地価が高いため、妻の実家のある滋賀で比較的駅に近い土地を購入しました。

間取り診断OBの完成写真

一級建築士 船渡亮:1971年生まれ。神奈川県出身。株式会社かえるけんちく代表。 複数の住宅会社で設計士として活動後、施主のための家づくりコンサルティング会社を設立。 家づくりは「理想の暮らしを実現するための手段」という信念の元、年間1000件の家づくり相談・間取り診断を行う。 1万人が学ぶLINE・メルマガやブログ、Youtubeチャンネルも運営、電子書籍も多数出版SUUMODIMEオリコンダイヤモンド不動産研究所など様々なメディアの監修執筆も行う。2024年1月18日に講談社+α新書から、25事例の間取り診断ビフォーアフターを紹介した『この間取り、ここが問題です!』を出版。 法政大学卒。既婚、2児の父。

目次

間取り診断に参加した理由

ご主人には当初から「住宅性能は、工務店が担保してくれるけど、間取りはプロに任せた方が良い」という思いがありました。そんな中、かえるけんちく相談所のHPを見たことをきっかけに、プレミアム動画間取り診断に参加しました。

当初、奥様は不要だと考えていたのですが、家づくりの知識量が多い夫が「参加した方が良い」というと話してくれたため、「そこまで言うなら」ということで参加を了承しました。

敷地診断(2020.01)

土地購入を検討している段階で、敷地診断を行いました。東側に大きな池があるため、その景色を活かすような吹抜け位置や窓位置のアドバイスをしました。

日当りや近隣環境も問題なかったので、ハザードマップを確認の上、購入する方向で良いのでは、という話をさせて頂きました。

間取り診断(2020.02)

土地購入後、間取り診断を行いました。下記のような1階間取りで診断依頼を頂きました。奥様は、工務店から提案があったこの間取りで特に問題ない、と感じていたのですが、診断結果は、かなり問題の多いものでした。

工務店から提案されたのは、DKを中心においた間取りです。1階にWICやパントリーがあるので一見、良さそうに見えるのですが、動線的に問題が多いです。

帰宅動線がキッチンとダイニングテーブルの間を通っているので配膳動線が長い、キッチン背面には冷蔵庫しか置けず、パントリーに食器や調理家電を置くので、動線が長くなる、タタミコーナーや2階リビングへの動線が窮屈。

またトイレがダイニングに近く、中が見えてしまう、WICには扉がないので、臭いが入ってしまう、といった問題もあります。また上図には2階の記載がないですが、2階にトイレがないため、寝室からトイレへの動線が長いのも問題です。

かなり暮らしにくい間取りといえますね。

改善提案

プレミアム動画間取り診断では、複数の改善提案を行うのが基本です。

林さんの場合は、4つの改善提案を行いました。

1階部分は、どの案も、東西に長いLDK+北側和室という構成です。日当たりの良い和室、というのも魅力的ですが、この間取りは中央に奥行き3.64mの吹抜けがあります。これを活かさない手はないので、和室は吹抜けを通して採光するようにしました。

各案の違いは、水廻りと階段位置です。2階にトイレなし、と考えると階段は水廻り近くが良いので、そのような案も検討しています。最終的には、林さん夫婦は、2案を選ばれました。

奥様は、この間取り診断結果を受けて、まったく違う提案だったので驚いていたそうです。

この後、最終診断を行い(結局、2階にトイレを追加しています)、間取り確定し、着工、2020年末に完成しました。

完成写真(2023.08)

連絡させて頂いた時に、

「ほぼご提案頂いた間取りの家で生活していますが、とても快適に過ごすことができています。

その節は大変お世話になりました。

私共もお会いできるのを楽しみにしています!どうぞよろしくお願いします。」

との返信を頂けましたので、2023年8月にご自宅を見学させて頂きました。

家に入って感じたのは、2層吹抜けの開放感です。

3.64m×3.64mの8帖分あるのですが、吹抜けの大きさとして非常にバランスが良いですね。

また、照明器具や家具、素材の選びのセンスが光っていました。

会社選びや間取りはご主人主導でしたが、インテリアは奥様と工務店のインテリアコーディネーターで決めたとのこと。

とても心地よい空間です。

こちらは和室です。間取り図で見ると北側で大丈夫か?と感じるかもしれませんが、断面で明るくなることは検証済み。

この和室、寛ぎのスペース、というだけでなく、家事スペースとしても活躍します。

ランドリーから、WICを通って和室に出れる動線を確保しているので、テレビを見ながら、または家族と話しながら洗濯を畳む、ということが出来ます。

この動線は、見学にきたママ友にも評判が良かったそうです。

「住んでみてとても暮らしやすい」

とご夫婦で仰ってくださいました。

工事中の話をお聞きしたのですが、工務店への信頼感がとても伝わってきました。

滋賀にあるARCHという工務店ですが、高気密高断熱であることはもちろん、インテリアコーディネーターの提案もよく、工事でのトラブルも全くなかった、とのこと。

工務店の担当者とは、LINEグループで連携がとれており、とにかくレスポンスが早く、風通しが良い会社だそうです。

今回のインタビュー中にも、工務店の名前を出して良いか?をお聞きしたのですが、ご主人がLINEで社長に確認して、10分程度でOKをもらっていました。

ドアは全て、造作ドアとなっておりますが、無料でアップグレードしてくれたのも嬉しいポイントです。枠には長男くんの年齢ごとの身長を刻んでいました。造作ドアならではですね。

2階は吹抜けを囲んでフリースペースとなっており、眺望も良いです。吹抜け天井部分は板張りで、照明やアイアンは黒で統一しています。

こちらは外観です。それほど大きな家ではないですが、和テイストで上品なたたずまいですね。

以上、林さんの完成物件紹介でした。

林さん、呼んで頂きましてありがとうございました!

※林様を含む25事例の間取り診断ビフォーアフターを掲載した、講談社+α新書『この間取り、ここが問題です』を2024年1月18日に出版いたします。お楽しみに!。

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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