こんにちは!一級建築士で家づくりコンサルタントの船渡です。
年明けの仕事始めから、平日はほぼ毎日、間取り診断をしていて(今月は12件)、割と皆さん、動画公開をOKしてくれるのですが、それをまとめる時間がなくて、、、ですが、最近、間取り診断後の最終チェックをさせていただきましたので、その方の事例を紹介しようと思います。
最終チェックとは、私が提供している『プレミアム動画間取り診断』に標準でついているサービスで、間取り診断をした後に建築会社と打ち合わせをして、
最終的な図面が完成した時点で、私の方で最終的なチェックをする、というものです。
一応、最終チェックなので、窓の位置とかドアの開きとか、細かい部分を診断する、ということにしているのですが、診断後のプラン変更をしたのだけど、
再度意見を聞きたい、という方も多いです。
間取り診断は、間取りや建築計画の大きな問題点や悩みを解決することを優先して行いますから、そこから漏れた部分や、その時点では気にならなかったけど、
考えていくと気になること、なども出てきますので、そういう部分をフォローしていくのが『最終チェックサービス』となっています。
では、早速事例をみていきましょう。
1.リビングの南側にウッドデッキを設けたけれど、、、、
今回、紹介するのは、Iさんの事例です。
余裕のある南北2区画の分譲地の北側が計画地です。
この計画で難しいところは、南側の敷地も分譲地で将来的に家は建つのはずなのだが、どのような建物になるかわからない、ということです。
東西に長いため南側の家がどのように建つか、によって日当たりや視線の抜け感はかなり変わってきますね。
そのためリビングをどの方向に開けばいいかがIさんの悩みでした。
リビングにウッドデッキを設けて外部空間を活用したいのですが、南側に設けていいのか?暗くないのか?というのに迷っていたんですね。
ですが、南側の駐車場位置が決まっていることから考えると、Iさんの建物のすぐ南側に建つこと、そして
第一種低層住居専用地域のため北側斜線にかからないボリュームで建つだろう、という想定は出来ました。
(天空率を使って北側斜線を緩和する、という手もありますが、工務店は天空率は使いたがらないのでないだろう、と考えています)
条件が決まってくればシミュレーションすることは可能です。
断面図を使って検討してみることにしました。
2.日当たりを簡易的に診断
日当たりの検討は本来、日影図を用いてするのが良いのですが、簡易的には断面図を書くだけでもわかります。
このように隣地も想定して断面を書いてみると、吹き抜けを通してどのように光が入るかがわかります。
ここでは冬至とバレンタインデー(2月14日)での日射を検討しています。
通常は冬至だけの日当たりだけ検討するのですが、冬真っ盛りなのは2月ですよね。その2月に日が当たる、というのは一番うれしいはずなので、
どちらも検討しています。このように見ると、吹き抜けを通して日射はリビングの奥まで入ることがわかりましたので、明るいリビングになることがわかります。
じゃあ、ウッドデッキは南側に設ければ良いか?というと南側は建物が迫っているし、恐らく南の敷地の方のエアコンの室外機とか給湯器とか、見ていて楽しくないものが置かれることが想定されたので、やはり東向きにすべき、という結論になりました。
Iさんも、東向きにウッドデッキ、ということも考えていたのですが、東側隣地や北側道路からの視線がどうなのか?を心配されていたので、
上記のように距離や段差があることから、最ものびのびと外部を活用できるのは東側へウッドデッキを作ること、ということで納得されたようです。
他、2階リビングの間取りや玄関の見せ方などの提案を行っています。
3.最終チェックサービスでエアコン容量も確認
間取り診断は12月に行ったのですが、その後工務店と打ち合わせをされて最終的に図面が出来てきました。
そこでいくつか悩みが出てきたので、最終チェックではそれらを解決しています。
最終チェックは基本、メールとPDF(上記)への書き込みで納品しています。
(ニュアンスを伝えるのが難しい場合は動画を用いることもあります)
ほとんど、何もチェックすることがない場合もありますが、今回はIさんからの質疑が多かったので、このようにびっしり書き込んでいます。
窓の高さに関することや、デザイン的な見え方についてのことが多かったのですが、エアコンの容量についての質問もありました。
Iさんの家はもともとは、断熱等性能等級4(2020年基準)には達していなかったのですが、私の方で断熱材の厚さ等を指示してクリアするように変更して頂きました。ということは、Q値は最低でも2.7にはなります。
このようにQ値がわかると、エアコンの容量を検討することが出来ます。
つまり、昭和のスカスカの家の場合は、容量の大きなエアコンが必要になりますが、高気密高断熱住宅になると小さくていい、ということです。
そしてエアコンの『何畳用』という表記は、昭和スカスカ住宅基準で設定されているので、そのまま適用するとオーバースペックになるんですね。
Q値を元にしたエアコン容量(暖房)の求め方はこちらの記事に書いています。
計算、面倒、、、って方は、こちらのサイトで自動計算(冷暖房)が出来るようになっています。
今回は、手計算と自動計算どちらもやってみたのですが、ほぼ同じ数値になっていますので、
どちらでも大丈夫かと思います。(多少余裕をみた方が良いですね)
4.Iさんからの感想
実際の間取り診断はこんな感じでやっています。
最後に、最終チェック時のIさんからの感想を紹介しますね。
先日はプレミアム動画診断ありがとうございました。
本当に、大変参考になり、動画診断をお願いしてよかったと痛感いたしました。
すぐにお礼のメールを送りたかったのですがバタバタしており今になってしまい申し訳ありません。
アンケートも後ほど回答させていただきますね!
診断していただいたことでかなり話が進み、まとまりましたので
最終メール診断をお願いしたいです。
I様、ありがとうございます!
ここでのアンケートとは、動画診断が終ったあとに書いていただくものですね。
アンケートを実施したり、最終チェックサービスを行ったりするのは、『間取り診断を納品して仕事完了!』ってことにしないためです。
私も人間なので、『今日疲れているから、診断楽しちゃおうかな、、、』とか思う時もありますが(めったにないですよ!)、
いやいや、アンケートで評価低いと自分も落ち込むし、最終チェックもあるし!と思うことで、気持ちを奮い立たせています。
ので、アンケートには思ったまま、書いていただければと思います。
最後にお知らせです。
2月1日から、プレミアム動画間取り診断を値上げいたします。
参加するか迷っている、後で参加しようと思っている、という方は、1月31日までの参加をご検討いただければと思います。
もちろん、値上げ後も価格以上の価値を提供するつもりだし、お得なサービスであることには変わりありません。
正直、2月以降申し込んでいただいた方が私としてはありがたいのですが、急に値上げだと、どうかなと思いまして、一応告知いたしました。
では!