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夏の西日を意識した窓計画の考え方

注文住宅だから、日中は明るく照明をつけないでも過ごせるようにしたい! こういう希望をもってる施主の方は多いです。
よっぽど廻りに高層建築がない限りそれは可能ですが、必然的に窓が多くなってしまいます。 窓が多くなると問題なのは、
①断熱性の低下
②夏の日射の侵入
の2点です。
①断熱性の低下 ですが、家の中で最も熱が逃げやすいのが「窓」となります。そのため「窓」が沢山あればあるほど、熱が逃げて冬寒い、ということになるわけです。昔の日本の家は、窓だらけですから、寒いのも無理はないです。(そもそも断熱材がちゃんと入ってない、という問題もあります)
②夏の日射の侵入ですが、、 南側の窓はともかく、東西の窓は(建築的な工夫だけでは)難しい場合が多いです。
特に6月から9月くらいにかけて気になる西日にクローズアップして、窓配置について考えていきます。
一級建築士 船渡亮
1971年生まれ。神奈川県出身。株式会社かえるけんちく代表。 複数の住宅会社で設計士として活動後、施主のための家づくりコンサルティング会社を設立。 家づくりは「理想の暮らしを実現するための手段」という信念の元、年間1000件の家づくり相談・間取り診断を行う。 1万人が学ぶLINE・メルマガやブログ、Youtubeチャンネルも運営、電子書籍も多数出版SUUMODIMEオリコンダイヤモンド不動産研究所など様々なメディアの監修執筆も行う。2023年11月には講談社で間取りに関する新書を出版予定。 法政大学卒。既婚、2児の父。
目次

窓配置のセオリー

20年前に設計した私の自宅は、日中はほとんど、照明をつけなくても過ごせるように設計しており、 実際に住んでみても、そういう実感を持っています。

東西南北に窓を配置していますし、ハイサイドライトも大きくとっていて、 暗くなりそうな部分には天窓まで計画しているので、とにかく明るいです。

冷暖房が必要ない春や秋は、確かに気持ちいいんです、この家。 でも、冬や夏は、冷暖房効率は悪いし、部分的にシングルガラスの窓もあるので熱はダダ漏れ。

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夏は、東と西から強烈な日射が入ってきて、2階のキッチン廻りはかなり暑くなります。 上記写真のようにバンバン西日が入ります。もう一度、設計して良いなら、明るさは多少犠牲にしてでも、日射のコントロールを考えますね。
で、ここで窓配置のセオリーですが、とてもシンプルです。

 

南・・・なるべく大きな窓にして、庇などで日射遮蔽

 

東西・・・通風・採光に必要なだけの最低限の窓を設置
※大窓を設置する場合の日射遮蔽は、外付けブラインド、外付けスクリーンなど

 

北側・・・通風・採光に必要な窓(断熱性能を上げれば、大きくてもOK)

 

これまでは、北側の窓も小さくする、というのがセオリーでしたが、現在は、LIXILのレガリスのように、ほぼ壁と同じ性能という断熱性能の誇る窓も発売されています。

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窓性能によっては、自由に配置してしまっても良いかなと思います。

 

東西の日射は庇では防げない

存じとは思いますが、西日(東日)は浅い角度ですので、庇では防ぐことは出来ません。 簾やシャッター、外付けブラインドなど、窓を直接覆うようなもので、日射を防ぐしかないのが現状です。
例えば、西日が厳しい7月、8月、9月の16時の日射角度を比較すると、

 

上図のように、どの月も庇(90cmのバルコニー)は日射遮蔽に役立ってないことがわかります。
外付けブラインドなども良いのですが、結構、お金がかかります。
最もコスパが高いのが、簾です。 ただこちらも、洋風やモダンなデザインだったりすると、イマイチに見えてしまうかもしれません。
またバルコニーが簾なども設置しやすいのですが、吹き抜け上の窓や、2階の腰窓などは設置しにくいですよね。
そこまで採光が必要のない個室の場合には、大きな引違窓ではなく、小さな縦辷りだし窓を設置する方がお勧めです。
そして西日と同じくらい厄介なのが、東からの光です。実際、私の家は、朝7時~8時くらいに、強烈に朝日が差し込むので、6月くらいからスクリーンを使い、日射遮蔽をしています。
朝日を浴びて食事したい、というのはよく言われる話ですが、直接、朝日がダイニングに当たると、暑いし眩しいし良いことはありませんので、ただ大きな窓を設置する、というのも考えものです。

 

近隣状況も考えて、窓の配置と大きさは決める

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では東西の窓は必ず小窓にしなければならないのか、というとそんなことはないです。

 

西側に、こんなすばらしい景色で毎日、夕陽を見れるなら、そちらに大きく窓を配置した方が良いと思いますよね。
また、西側は家が迫っていて、西日が入らないのであれば、特に気にする必要もないです。

 

近隣状況と、間取りや窓配置はセットで考えないと意味がありません。
また、日射遮蔽や断熱性能は、家の価値を図るモノサシのひとつでしかありません。

 

西日がきつかったとしても、窓を大きくしたいんだ!というのであれば、それもまた良し。
住んでからの

 

「こんなはずではなかった、、、」

 

というのがなければ良いのです。
近隣状況は、現場で確認することも大事ですが、客観的に確認する場合は、グーグルマップがお勧めです。正しい方位と近隣状況が一度にわかるので、私の間取り診断でも、グーグルマップは活用しています。

家づくりは一年かけて検討すべき?

「家づくりの計画は、1年くらいかけてやった方が良い、なぜなら、夏だけだとは暑さ対策中心になるし、冬は寒さ対策中心になってしまうから」
というようなことを聞いたことがあります。 一理ありますが、そこまで悠長には考えられないですよね。
ので、特に窓配置に関しては上記で話したセオリーと、グーグルマップを使い近隣状況から考えた光の入り方を考慮して、検討してみてくださいね。
では!

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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