高気密高断熱住宅の過乾燥の仕組みについて、 前回お話しました。
>>高気密高断熱が乾燥する仕組みを、小学生でもわかるように解説!
今日は、過乾燥対策の実例についてお話します。
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初の認定低炭素建築物
昨年4月に完成した「低炭素建築物の認定」を取得した、
東京都内の在来軸組みの2階建て地下1階の住宅を紹介します。
なんと、建設地の自治体で初の「低炭素認定」だったそうです。
施主のOTさんは、私の大学の建築学科での同級生。
現在は、都市計画関係の仕事をしている一級建築士です。
(建築士は色々な職種で活躍しています)
設計は、設計施工もされている工務店さんが行っているのですが、
私は、主に断熱気密関係のアドバイスをしました。
「低炭素建築物の認定」は、断熱性だけでなく、
家全体のエネルギー消費量をどれだけ減らすことが出来るか? が大事になってきます。
ので、省エネ効果の高い高効率給湯機や、節水型のシャワー、太陽光パネルなどを設置すると、
比較的、認定をとりやすいと言えます。 スマートハウス向きなんですね。
ただ、OTさんの家は、いわゆるスマートハウス、ではなく、 しっかりとした、高気密高断熱住宅です。
施工された工務店にとって、初の高密高断熱住宅で、気密試験も行ったのですが、
C値(隙間相当面積)=0.71 c㎡/㎡
と、素晴らしい結果でした。
ちなみに、いわゆるスマートハウスが得意な鉄骨系大手メーカーのC値は、 5.0c㎡/㎡ 程度になります。
(実は低炭素の認定には、気密性は関係ありません)
室内は快適な環境になっているの?
断熱や気密の数値的には良いのですが、
じゃあ、実際快適なの? ってことで、おうちに上がらせていただきました。
こちらが、2階のLDKになります。 無垢のフローリング、梁の表しや、木目のキッチン、観葉植物など、
素材感があるナチュラルテイストなインテリアですね。
実際、とてもリラックスでき、
奥様のご用意いただいたおいしい食事やお酒をたくさん頂いてきちゃいました(笑)
伺った日は、比較的日差しがあり暖かい日で、外気温は10度くらい。
暖房は床暖房のみ、ですが、とても快適です。
室温は、20~21度程度に保たれています。
暖房は、ベースは床暖房だけですが、 起床時や帰宅時、エアコンを併用しているとのこと。
前回お話したような、 燃焼型のファンヒーターなどは使用していません。
単純に外気を取り入れて、温度を上げていれば乾燥するはずです。
実際の湿度はどうなんでしょうか?
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過乾燥対策は?
さて、湿度ですが、その時は湿度計を見ることが出来なかったのですが、
後で確認したところ、平均で40~60%とのことです。
実際、とても潤っている感じがしましたし、 一緒にお邪魔した、
友人NMも、自分の家と比較しても乾燥してない!っと言っておりました。
いったい、どんな乾燥対策をしているのでしょうか?
大きく3つです。
1.加湿空気清浄器
家にいる時は、基本、LDKと寝室にある、 加湿空気清浄器を運転させているそうです。
2.観葉植物
観葉植物が色々な場所に置かれています。 土の表面が乾燥しだしたら、水をあげるらしいのですが、 これもかなりの乾燥対策になりますね。
3.うるるとさらら
ほとんど使ってないようなのですが、 DAIKIN製のエアコンの加湿機能(うるるとさらら)もあります。
これは、私たちがいる時に使ってもらったのですが、 正直、よくわかりませんでした、、、
基本的には、1と2により、加湿を行っているとのことです。
他には、どんな加湿対策があるの?
OTさんの家は、加湿器と観葉植物による加湿でしたが、
他には、 洗濯物を部屋干しにする、 水槽をおく、 など、とにかく水気のものを室内に置く、
ということが効果があります。
また、もっと根本的な対策としては、 24時間換気を、全熱交換器とする、というものがあります。
過乾燥の原因のひとつに、 24時間換気のように常に乾燥した外気を取り入れなければならない、
ことがあげられますが、
その換気装置を、「熱と湿気を外に出さない」ものにすると、 かなりの効果が期待できます。
>>ナイチンゲールが教えてくれる住宅に熱交換器が必要な本当の理由
新築の場合は、検討の価値がありますね。
では!
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