高気密高断熱住宅って、乾燥するでしょ?
という質問は、よく頂きます。
なぜでしょうか?
今回は、この問題に対して、ザックリと、冬の乾燥の仕組みから話します。
今日は、久々に、僕とオジイに登場してもらいましょう。
僕とオジイを知らない方はこちらへ >>僕でもわかる断熱の話
僕:かえるさん、僕にもわかるように教えてくれるよね?
おじい:わしゃ、難しいことわからんぞよ。
大丈夫ですよ、とっても簡単な話です。
「乾燥している」 というのは、「相対湿度が低い」
ということだけ、頭に入れておいてくださいね
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乾燥のイメージ
グラスの中に水が入っている絵を想像してください。
水の量は、100ccです。
さきほど話した相対湿度とは、グラスがどれだけ水で満たされているか?その割合のことを言います。
この絵だと、相対湿度は、50パーセントくらいですね。とても快適な湿度といえます。
実はこのグラスは、気温が上がると、大きくなるんです。
おじい:気温が上がって夏になると、ワシの好きなビールジョッキくらいの大きさになるのかい?
はい、その通りです。
では、その特大のビールジョッキに、同じく100ccの水が入っているのを想像してみましょう。
容器が大きくなった分、グラスの1/4くらいしか満たされてないですね。
相対湿度は、25パーセントくらいです。
僕 :相対湿度が低い、というのは、乾燥してるって事だよね?
そうです。 これが冬の乾燥の仕組みです。
つまり、暖房器具で気温を上げると、空気中の水の量は同じだけど、
グラスの大きさ(飽和水蒸気量と言います)も大きくなるので、結果、相対湿度が下がり、乾燥する、ということです。
結露の仕組みは?
グラスの例えで、結露についても説明できます。
グラス(飽和水蒸気量)は、気温が上がると大きくなりますが、気温が下がると、逆に小さくなります。
先ほどのグラス、気温を下げて、小さくしてみると、中の水がこぼれてしまいますね。
この、こぼれた水が、結露水です。
冬場に、アルミサッシが結露水でビッショリになることがありますね。
これは、アルミサッシが冷たいせいで、グラス(飽和水蒸気量)が小さくなってしまい、水がこぼれてしまったことで、起こります。
僕:うちの窓がビッショリなのは、グラスが小さいせいなんだね。オジイちゃん、なんとかしてよ!
オジイ:カエルはん、どうすりゃいいんじゃ?
リクシルのインプラスなどの内窓や、ハニカムサーモスクリーンなどを窓の内側に設置すれば、ある程度解消できます。
これは、窓と内窓の間にできる空気層が断熱効果を発揮するからです。
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なぜ、高気密高断熱住宅は乾燥する?
乾燥の仕組みは、これまでの住宅も、高気密高断熱住宅もかわりません。
では、なぜ、高気密高断熱住宅だけが、乾燥する、と言われるのでしょうか?
それは、暖房の方法の問題です。
また、コップに戻りましょう。
外気をそのまま、室内に取り込んだ状態がこのグラスとします。
部屋の中は、キッチンやお風呂、洗濯物など、普通に生活するだけでも、水が発生します。
高気密高断熱住宅は、この状態でエアコンなどで温度を上げることになります。
これに対して、これまでの住宅は、暖房するのに、ガスや石油ストーブを使います。
ガスや灯油を燃焼する時に、水や二酸化炭素が出来ます。 これにより、コップに水が入り、乾燥しにくくなるわけです。
僕: じゃあ、エアコンより、石油ストーブの方が良いみたいだね?
残念ながらそうとも言えません。
水や二酸化炭素の他に、一酸化窒素や二酸化窒素など、有害な物質が出来るからです。
乾燥はしにくいけれど、有害物質を吸い込んでしまうのでは、健康に良くありません。
これは、これまでの住宅でも同じことなんですね。
ただ、これまでは寒くてエアコンでは暖まらなかったので、 ガスストーブを使わざるを得ない、ということです。
本来、室内で使うべきものではないのです。
僕: おじいちゃん、石油ストーブ、ダメだってよ!
おじい : どうすりゃ、いいんじゃー。
まずは、窓の断熱リフォームからしていきましょうね。
乾燥対策とは?
冬の乾燥の仕組みはわかったと思います。
では、過乾燥は、いくつか考えられますが、 次回、実例を交えて紹介したいと思います。
では!
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