前回紹介した引違窓に代わって、飛ぶ鳥を落とす勢いで増えているのが、 縦滑り出し窓です。
滑り出し窓には、縦滑り出しと横滑り出しの2種類あるのですが、 この縦とか横は、何を示しているのかというと、 窓の回転軸の事を言っています。
縦滑り出しは、縦に回転軸があり、開くときに軸が中央向かってずれつつ開きます。 横滑り出し窓は、横に回転軸があり、開くときは軸が下方に向かってずれつつ開きます。
こんな感じです。
まずは開き方を理解してから、次に読み進めてくださいね。
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特徴
建物の気密性や耐震強度などの話が出始め、 また洋風な住宅が主流になることで、よく使われるようになりました。
引違と違い、1枚のフレームで完結し、召し合わせの部分がないため、 枠にピッタリと隙間なく、ハマることが出来ます。 これによって、高い気密性を確保出来ます。
最大の特徴は、軸がずれて開くこと。 これにより、部屋の中から、外側の窓ガラスを拭くことが出来るのです。
窓形状は、基本縦長で、幅も通常60センチ程度までです。
出没場所
外との出入りがない場所なら、どこでも採用されています。 特に、建物の正面(ファサード)や、建物東西の通風用として、 使われることが多いようです。
また、オペレーターによる遠隔操作が可能なため、 手の届かない吹き抜け上部にも設置することがあります。
得意技
気密を確保しやすい
掃除をしやすい。
嵌め殺し窓などと組み合わせると、大開口に出来る。(防火設備では不可)
スッキリした洋風、又はモダンデザインに合わせやすい。
細い窓にすることで防犯性を高めやすい。
最近は、採風窓として注目されている
高窓としても仕様できる
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防犯
防犯とは、とどのつまり、侵入盗(泥棒)が、家の中に入らなければ、 成立すると言えます。例えば、フィックス(嵌め殺し窓)は、 窓を開けることが出来ないので、侵入が出来ません。
縦滑り出しの場合は、開けることは出来ますが、細長い窓にすることで、 身体が入らないようにすることが可能です。
ではその大きさとは?
400mm×250mmのブロックが入らなければ良いといわれています。 ので、LIXILのサーモスⅡという窓では、 呼称幅 026までの窓であれば、枠内法が230mmなので、 ガラスを割られ、サッシを取られたとしても、侵入が出来ない窓となります。
通風
縦滑り出しは、正面からの風よりは、家のサイドを通り抜ける風を、 取り込むのが上手な窓です。
LIXILは、この性質を利用して、採風モデルとして通常の縦滑り出しとは別に、 商品化しています。
弱点
窓を外側に開けるため、外側に網戸や面格子、ルーバーを付けられない、 というのが弱点です。
特に網戸は内側に固定や可動網戸や、ロール網戸を付ける必要があります。 網戸は内側から意外に目立つので、よく理解した上で採用しましょうね。
蛇足
私の10年前に建てた自宅はRC造ですが、当時、縦滑り出しが高かったため、 採用することが出来ませんでした。 今は、引違以外は、縦滑り出しの採用率、高いですね。 いいなあ、、、
では!
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