住宅に必要な換気回数について話します。
平成15年7月に施行されたシックハウス法により、 住宅の24時間換気が義務付けられました。
>>シックハウス法
現在のほとんど全ての新築住宅は、 2時間に一回、空気を全て入れ替える計算で、 換気計画を行っています。
これは、建材や家具等から発散されるホルムアルデヒドを、 室外に出す、ということがそもそもの目的です。
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換気は手動で行うのが前提
実は、「空気の入れ替え」に関しては、 手で窓の開け閉めで行うように、 現在の建築基準法ではなっています。
床面積の1/20の大きさの換気に有効な窓の設置が、 義務付けられているのはそのためです。
そう考えますと、 自然素材だけで作った家に自然素材の家具を置いているのなら、
24時間換気なんか必要ないのでは? と言った疑問が当然出てきます。
だって、そもそも、24時間換気なんて法律はなかったんだし。
法律的にはともかく、 窓の開け閉めをしっかりやっているのなら、
空気の入れ替えは出来、新鮮な空気を取り入れることが出来ます。
冬に、 昔はよく、親から空気を入れ替えましょうって、言われていた気がします。
でも、 実際は、寒い冬に窓を開けて換気、とかはしないですよね。
そんなわけでで、現在における24時間換気の意味は、
「シックハウス対策」という本来の意味よりは、
24時間、常に新鮮な空気の室内環境にする、ことが目的となっています。
さて、
「シックハウス対策」に必要な換気回数は2時間に1回の空気の入れ替えですが、
それを一旦、無視した場合、 実際に必要な換気回数ってどうやって決めればよいでしょうか?
それは、室内の二酸化炭素の濃度によって決まります。
一人当たりの必要空気量の基準とは?
室内の二酸化炭素の濃度は、1000ppm以下に維持する必要がある、 と言われています。
この1000ppmを維持するためには、30m3/h/人 の換気量が必要です。
つまり、大人一人あたり1時間に、30m3の空気が必要ということです。
これは、部屋面積でいうと12㎡分(天井高さ2.5mの場合)を、 換気すればよいことになります。
これが一つの基準です。
4人家族に必要な換気回数とは?
では、4人家族に必要な換気量を、二酸化炭素濃度から考えましょう。
単純な掛け算です。
12㎡ × 4人 =48㎡/h
つまり1時間に48㎡分の面積を換気が必要です。 2時間ですと、96㎡
つまり、およそ29坪(96㎡)の家に4人家族で住むのなら、 2時間に一回、空気の換気が必要、ということになります。
ん?これは、シックハウスで定めた換気回数と同じになりますね。
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120㎡の家に4人家族で住むのなら?
29坪(96㎡)の場合は、2時間に1回ですが、 部屋の大きさは、住む人の人数によって、換気回数は違ってきます。
同じ4人で、36坪(120㎡)の場合は、
2.5時間に1回の換気計算で良いことになります。
逆に4人で、21坪(72㎡)の場合は、
1.5時間に1回は換気が必要です。
72㎡は、戸建では少ないですが、マンションで、3LDKならあり得ますよね?
意外にも、換気が足りてない可能性があるんですね。
2時間に1回は、意外にも妥当な数字
本来は、このように、どれだけの人が住むか? によって、機械換気の回数は決めるべきなのですが、
家を建てる時点で、将来、何人住むか、わからない、ということもあり、 通常は、2時間に1回で計算を行います。
まあでも、 意外に妥当な数字であることがわかりますね。
ただし、この基準は、人の呼吸による二酸化炭素の排出量のみの検討なので、
ファンヒーターなどからの排出量は考えていません。
もし使う場合は、別途、換気を考える必要がありますね、
ナイチンゲールが言っているように、 新鮮な空気を保つことは、健康的な生活には不可欠です。
二酸化炭素濃度って、あっという間に上がってしまいますので、
寒いからと言って、家の給気口を閉めたりせずに換気することをお勧めします。
では!
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>>ナイチンゲールが教えてくれる住宅に熱交換器が必要な本当の理由