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夫婦円満でセックスレスにならない間取り7つのポイント|寝室・防音・断熱を一級建築士が解説【2026年版】

間取りのセカンドオピニオンで一級建築士の船渡亮(ふなとあきら)です。これまで3,500件以上の間取り診断をしてきました。

株式会社かえるけんちくのアンケート調査では、子育て世代の夫婦のおよそ9割が、子どもがいることで夫婦の営みをあきらめた経験があると答えています。

もちろん、家だけでセックスレスの問題が解消するわけではありません。でも、どちらかが「それほど積極的ではない」場合、間取りの悪さは大きなハードルになります。せっかく家を建てるなら、「育児」「家事」「収納」だけでなく、「夫婦円満」という視点でも間取りを考えてみてはいかがでしょうか。

この記事では、電子書籍『【完全版】セックスレスにならない間取り』の内容をもとに、夫婦円満でセックスレスにならない間取りにするための7つのポイントを紹介します。

この記事でわかること

  • 家で夫婦の時間をとりにくい6つの理由(アンケート結果)
  • 間取りでセックスレスにならない7つのポイント
  • 2025年の省エネ義務化をふまえた、寝室の断熱の考え方
目次

家で営みにくい6つの理由

2018年に行ったアンケート(男女381人)によると、83%の夫婦が、なんらかの理由で家ではセックスしにくいと考えています。上位の理由は次の6つでした。

順位理由割合
1位子どもと川の字で寝ている51.7%
2位子ども部屋が夫婦の寝室の隣14.6%
3位音漏れが心配14.6%
4位家が寒すぎて裸になりたくない13.8%
5位同じ部屋なので新鮮味がない11.7%
6位部屋が片付かなくてその気になれない7.3%

圧倒的に多いのが、1位の「子どもと川の字で寝ている」です。川の字で寝るのは親子のスキンシップとして大事なことですが、子どもが横に寝ていては気になりますよね。

また、子どもが自分の部屋を持ったあとも、音漏れの心配や、「寒い」「新鮮味がない」といった住宅性能やインテリアの問題があります。では、これらを間取りで解決していきましょう。

間取りでセックスレスにならない7つのポイント

1. 営みの部屋を確保する

▶「子どもと川の字で寝ている」を解決

積水ハウスの調査によると、日本の幼児のいる家庭の71%が家族全員で川の字で寝ていて、父親だけ別室を含めると、88%が親と子どもが一緒に寝ているそうです。私の間取り診断でも、未就学児のいる家庭のほぼすべてが親子で寝ています。

親子で寝ることはスキンシップの絶好の機会です。問題になるのは、子どもがいる横で夫婦の営みを落ち着いてできるか、ということです。

解決方法はとてもシンプルです。夫婦の営み専用の部屋を一室設けて、そこにベッドをセッティングしておくことです。この部屋に最もふさわしいのが、夫婦の寝室です。

普段、家族で寝る部屋は子ども部屋が良いでしょう。3人家族なら、6畳の子ども部屋があれば十分です。子どもが2人以上いるなら、子ども部屋をつなげて大きな一室にしておけば、家族4人でも無理なく寝られます。

床に布団を敷いて寝るなら、布団をしまえる奥行きのあるクローゼットが必要です。幅1.4〜1.8m程度(壁芯1,365〜1,820mm)のクローゼットか押し入れがあれば、布団をしまうのに十分です。

子ども部屋の壁をなくして計画する場合のコツは、壁で仕切った状態で、窓位置や照明、コンセント、家具位置を計画し、そのあとで壁をなくすことです。「住んでから間仕切りを考えればいいや」と思うと、あとからうまく壁を作れないことがあります。

このように計画しておけば、普段は子ども部屋で寝て、夫婦の時間がほしいときだけ寝室に移動すれば良いことになります。子どもが赤ちゃんの場合は、ベビーモニターで様子がわかるようにしておけば安心です。寝室の扉に鍵を付けておくと、子どもが急に入ってくるのも防げます。

2. 夫婦の寝室のプライバシーを高くする

▶「子ども部屋が夫婦の寝室の隣」「音漏れが心配」を解決

子どもだけで寝るようになっても、子ども部屋と寝室が隣だと音が気になります。その頃には子どもも小学生くらいになっているので、できれば気づかれたくないですよね。

最も効果的なのは、子ども部屋の隣に夫婦の寝室を計画しないことです。子ども部屋は2階、夫婦の寝室は1階と、階を変えるのがベストです。1階に寝室があれば、老後の暮らしにも対応しやすくなります。

ただ、リビングや水まわり、玄関を広くとると、1階に寝室を計画するのが難しい場合もあります。どうしても子ども部屋と隣になる場合は、収納を間に挟むことで防音の効果を上げられます。

同じ面積の子ども部屋でも、収納の位置を変えるだけで、夫婦の寝室のプライバシーを高くできます。この例では、廊下の収納も増えています。

収納を挟めない場合は、壁自体を簡易的な防音壁にするのも有効です。

壁は厚く重くなるほど、音を通しにくくなります。壁の中にグラスウールなどの断熱材を充填する、石膏ボードや遮音シートを追加する、といった方法で遮音性能は上がります。

また、ドアも音漏れの原因のひとつです。室内ドアの下には、24時間換気のための隙間(アンダーカット)が1cm前後あいていて、ここからの音漏れも侮れません。子ども部屋のドアと夫婦の寝室のドアは、なるべく離して配置しましょう。

3. 家の断熱性を高める

▶「家が寒すぎて裸になりたくない」を解決

付き合い始めの頃は、暑さ寒さは気にならなかったかもしれません。でも、結婚して長くなると、「冬、寒い思いをしてまで…」と考えてしまうこともあります。2階の寝室は、断熱や窓の計画によっては、夏に暑くなりすぎることもあります。

寝室が快適でも、浴室までの廊下が寒いのは嫌ですよね。夫婦の寝室だけでなく、家全体の温熱環境がとても大事です。

2025年4月から、すべての新築住宅は省エネ基準(断熱等級4)への適合が義務になりました。ただ、等級4は「これ以下では建てられない」最低ラインです。寝室や廊下まで寒くない家にするなら、次を目安にしてください。

間取りのタイプ断熱性能の目安
部屋が個別に区切られている断熱等級5(ZEH水準)以上
リビング階段・吹き抜けで1階と2階がつながる断熱等級6程度。窓は樹脂サッシなど性能の高いものに

窓の配置も大事です。南側は大きな窓にして日当たりを良くし、東・西・北の窓は必要な分だけにします。ベッドの頭の上には窓を設けないようにしましょう(冷気が枕元に来るため)。エアコンは、ベッドに直接風が当たらない位置に付けます。

アキラ先生

性能は「最低基準を満たしているか」だけで判断しないことが大切です。打ち合わせでは断熱等級を数字で確認しましょう。

4. 営む部屋を変えてみる

▶「同じ部屋なので新鮮味がない」を解決

いつも同じ部屋だと新鮮味がなくなる、というのは確かにありそうです。子育て世代はそう頻繁に外出もできないので、いつもと違う部屋を選んでみるのもひとつの方法です。実際に家のどこで営んでいるのか、アンケート結果を紹介します。

順位場所割合
1位寝室86.9%
2位リビングのソファ23.1%
3位浴室10.5%
4位ダイニング・キッチン5.3%

1位は寝室です。一番落ち着けて、プライバシーも確保しやすい場所です。代わり映えしない分、シーツや照明を変えるだけでも部屋の雰囲気は随分変わります。寝室の照明は、調光できるものにしておくのがおすすめです。

2位はリビングのソファです。二人でソファに座って映画を見ながら…という流れは、付き合い始めた頃によくあったのではないでしょうか。子どもが寝たあとや不在のときなら、リビングも二人の時間の場所になります。

3位は浴室です。寝室に次いでプライバシーを守りやすい場所です。忙しい夫婦でも、休みの日に一緒にお風呂に入れば、自然とスキンシップをとりやすくなります。子どもには「夫婦は一緒にお風呂に入るもの」と思ってもらえば大丈夫です。

4位はダイニング・キッチンです。料理しているパートナーを後ろから抱きしめるなど、ちょっとしたスキンシップがしやすい場所です。ただし、余裕なく家事をしているときにちょっかいを出すのはNG。まずは皿洗いや配膳をサポートするのが先決です。

パートナーが話しながら料理したいタイプなら、お酒を飲みながらキッチンでおしゃべりするのも良いですね。対面キッチンならカウンター越しに、キッチン横にダイニングテーブルがあるなら並んで座るのもおすすめです。

5. 収納を確保し、寝室に家具は置かない

▶「部屋が片付かなくてその気になれない」を解決

寝室の床にホコリがたまっていたり、干しっぱなしの洗濯物が見えたりすると、気持ちも萎えてしまいます。家中を片付けるのは大変なので、せめて夫婦の寝室だけは家具やモノを最小限にして、寝るための部屋にしましょう。

いくら片付けようとしても、収納量が足りないとモノはあふれます。一般的に、大人1人に必要な衣類の収納は押し入れ1間分(約1.8m)といわれています。夫婦2人なら、2畳程度のウォークインクローゼットが目安です。広さごとの間取りは2畳のウォークインクローゼットの間取りと3畳のウォークインクローゼットの間取りで解説しています。

また、タンスは夫婦の寝室には置かないことです。タンスを置くと、その上にもモノを置きたくなり、結局散らかった印象になります。地震のときにも危ないので、タンスはWICの中に収められるようにあらかじめ計画しましょう。

ここまでが、アンケート上位の理由を解決するポイントです。残りの2つは、私が間取り診断で必ずチェックしているポイントです。

6. 浴室への動線を意識する

営みのあとにシャワーを浴びたいなら、寝室から浴室までの動線に子ども部屋を置かないように気をつけましょう。この例のように、寝室のすぐ横が水まわりというのは理想的です。子どもに気兼ねなく浴室を使えます。

浴室の隣が子どもや同居の親の寝室、という間取りにも注意が必要です。たとえば、最初は納戸(和室)でも、将来は同居する親の寝室にする場合、夜中や朝方にシャワーを浴びると気をつかいます。間取りを変えられない場合は、収納を挟む、防音にするといった対策をしましょう。

7. 親の寝室の上に主寝室を配置しない(二世帯住宅)

間取り診断でとても感謝されるのが、「親の寝室の上に子世帯の寝室を置かない」というアドバイスです。

「何が問題?」と思った方は、自分の親が寝ている真上で夫婦で過ごす…と想像してみてください。かなり気になるのではないでしょうか。二世帯住宅の間取り診断では、この「親世帯の寝室の上に子世帯の寝室」という間取りはよくあり、大きく改善することが多いです。

防音床にするなどの対策もできますが、下の階にどう音が伝わっているかは確認できないので、気持ちの面でも気になります。二世帯住宅では、上下の部屋の組み合わせまで確認しましょう。こちらの動画でも紹介しています。