前回、ウォークインクローゼットに窓が必要な理由を話しました。
今回は、湿気対策について、です。
湿気対策は、大きく二つに分けられます。
1) 設計上の対策
2)住んでからの対策
今回は、1)設計上の対策について、お話ししますね。
対策を話す前に、部屋が湿気る原因について押さえておきましょう。
部屋が湿気る原因
部屋が湿気る原因は、以下の二つです。
1.水蒸気の発生源がある
2.空気が滞留している
1.水蒸気の発生源、とは、
窓の結露や、観葉植物、部屋干しの洗濯物、ガスや石油ファンヒーター、キッチンやお風呂からの水蒸気、梅雨時期の外気、そして人がいるだけでも、汗や息から水蒸気は発生します。
2.空気が滞留している、は、
発生した水蒸気がそのまま部屋にあることにより、部屋が湿気ることを言っています。
換気されてない部屋がカビ臭くなることからも、わかりますね。
これらから、部屋の湿気対策は、 なるべく水蒸気を発生させないようにし、発生した水蒸気は、外部(または除湿機のタンクなど)に排出するようにすることが大事であることがあかります。
これを踏まえた上で、ウォークインクローゼットの湿気対策を見ていきましょう。
5つの湿気対策
設計上、つまり、新築時や、リフォームでウォークインクローゼットを作る時に気をつけるポイントは、以下の5つになります。
1.換気の経路に入れる
2.寝室などと一体にする
3.水廻りとは、区画する。
4.調湿機能のある仕上げ材にする
5.断熱性の高い窓を採用する
順番に話していきますね。
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1.換気の経路に入れる
もっとも重要ですが、見落としがちなのが、ウォークインクローゼットを換気経路に入れる、ことです。
建築基準法により、住宅の居室は24時間、機械換気をしなければなりません。
居室というのは、寝室やLDKなど、人が長時間活動する部屋を言います。
このため、寝室やLDKは必ず換気されるのですが、それ以外の部屋は特に希望がない限り、機械換気されないことになります。
これでは部屋は湿気っぽくなりますので、必ず換気経路に入れるようにしてください。
換気経路に入っているか?は、給気口から、換気扇までの経路を辿った時に、ウォークインクローゼットが入っているか?で確認できます。
確実に換気経路に入れるには、ウォークインクローゼットの奥に給気口、または、換気扇がある、ことです。
こうすると、確実に換気経路に入れることが可能です。
私の自宅は、ウォークインクローゼットに換気扇がありますので、このように空気が流れます。
ただ、これだとウォークインクローゼットの奥の空気が滞留してしまいます。
ので、ウォークインクローゼットの壁を有孔板にして、空気が寝室側から入るように配慮しました。
本当なら、ウォークインクローゼットの奥に換気扇を設置したかったのですが、構造上出来なかったんです。
そのため、このような形状になりました。
このように、給気口から、換気扇までを線で結べば、どこで空気が滞留するのか?がわかります。 簡単なので、試してみてくださいね。
※第1種換気の場合は、吹き出し口から、吸い込み口までの経路となります。
2.寝室などと一体にする
部屋はなるべなく、間仕切らないほうが、換気しやすく風通しが良くなります。
寝室などのプライベート空間に隣接する場合は、扉無しとした方が使いやすい場合が多いです。
ただし、4.5畳以上の広いウォークインクローゼットの場合は、引戸で区切った方が、冷暖房効率的には良いですね。
3.水廻りとは、区画する。
水蒸気の発生源である洗面脱衣室などの水廻りが隣接する場合は、引戸などで区間するようにしてください。
換気経路は、ウォークインクローゼットから、水廻りへ空気が流れるようにすること。
水廻りで発生した水蒸気がウォークインクローゼットに入って来ないように換気計画をしましょう。
4.調湿機能のある仕上げ材にする
水廻りが近くになくても、人が生活すれば、水蒸気は発生します。
換気計画だけでも効果はありますが、更に対策したい場合は、調湿効果のある仕上げ材を採用しましょう。
珪藻土や漆喰、エコカラットやモイスなど、調湿効果のある仕上げ材は沢山あります。
これらは、調湿以外にも、脱臭効果やホルムアルデヒドの分解効果などを期待出来るものもあり、寝室やウォークインクローゼットには、ぴったりの仕上げ材です。
予算に余裕があれば、検討しても良いですね。
ちなみに、エコカラットを選ぶ時にサンプルを貰えたら、捨てないでとっておきましょう。下駄箱に入れると脱臭効果があって、良いですよ。
5.断熱性の高い窓を採用する
最近はあまりないですが、ペアガラスがあまり普及してない頃、大きな窓だけペアにする、小さい窓はシングで、ということをやってました。
ウォークインクローゼットの窓は小さい場合が多いので、シングルで、みたいな感じです。
それが、ウォークインクローゼットの窓が結露する要因にもなってました。
新築エコポイントを使える住宅なら、ペアガラスでLow-Eが最低のスペックになりますので、1から4の対策をしていれば、まずは安心です。
もし、エコポイントを使えるスペックじゃありません!って場合は、他の何かを諦めたとしても、断熱スペックを上げることをお勧めします。
以上です。
次回は、建てた後に、 やっぱり湿気るし、カビ生えちゃったよー、って場合の対策を考えていきます。
では!
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