「わかりやすい高気密住宅講座」シリーズ5回目、
4.換気をしっかり行うため、
について話していきますね。
では、いきましょう。
そもそも換気って必要なの?
しっかり換気をするため、と言っても、 換気をする理由を理解してないといけませんよね。
建築基準法では、 シックハウス対策として、 24時間換気が義務付けられています。2時間に1回、 室内の空気を全て入れ替えるような換気計画にすることが必要です。また、 換気をすることで、 二酸化炭素濃度を下げる、 汚れた空気や水蒸気を排出する、 などの理由もあります。
空気を清浄に保つ、というのは、 健康的な生活を送るために、 必須なことなんですね。
日本の家は隙間だらけだから換気は不要?
90年代に高気密高断熱が、 北海道以外の地域でも注目されるようになった際に、 日本の住宅は隙間があるから、 自然に換気が出来て健康的である、 というような議論が起きました。確かに隙間風が吹くような住宅は、 不快極まりないですが、 なんとなく換気は出来てそうな気がします。
本当でしょうか?
まずは、気密がとれている住宅(C値2.0以下)の、 換気のイメージをみてください。気密がしっかりとれているため、 給気口から、換気扇に向けて、 計画通り空気が流れていることがわかりますね。
では、C値が4.0以上の、 スカスカな住宅はどうでしょうか?
給気口から換気扇で空気を引っ張ろうとしますが、 壁の隙間から空気が入ってくるので、 換気扇に近い部屋しか、 空気が動きません。そのため、 給気口付近の空気は汚れたままの状態です。
実際に、 C値4.0の住宅の給気口付近で、 風量の測定を行った専門家によると、 まったく空気が動いていなかったそうです。もちろん、風が強く吹けば、 給気口からヒューヒュー風は入ってくるでしょう。でも、大切な換気を風まかせにして良いのでしょうか?
花粉症フィルターも無駄になる
花粉症やPM2.5など、 今後、空気環境の悪化が予想されます。給気口に花粉フィルターを設置している方も多いでしょう。 でも、C値4.0の住宅では、 そもそも給気口以外の場所から空気が入ってきているので、 フィルターを設置しても意味をなしません。
様々な花粉症対策をしているのに、 家でもくしゃみがとまらない、 それは、 あなたの家の気密がわるいのが原因、 かもしれません。
しっかりと気密された住宅であれば、 給気口に気密フィルターを設置し、 一定の期間ごとに交換や清掃を行えば、 確実に清浄な空気環境を確保することが出来ます。
とてもシンプルだとは思いませんか?
さて、ここまでで4つの気密が必要な理由を解説してきました。
読んでいただければわかりますが、 「ここは東京だからそんなに寒くない」だから、という理由で、 気密が不要、ということではないことは、 わかりましたよね?
次回は、
じゃあ、どうすればいいのよ?
って部分に答えていきますね。
では!
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