さて、「わかりやすい気密講座」シリーズ3回目、
今回は、 2.外壁の断熱性の低下の防止 について話していきますね。もし、1回目、2回目を見てないようでしたら、 そちらも確認してくださいね。
では、いきましょう。
断熱って何?
気密をすることで、 「外壁の断熱性の低下の防止」になる、 と言われても、 ちょっと、つながらないですよね。これを理解するのはまず、 「断熱」について理解する必要があります。
「断熱」とは、なんでしょうか?
「断熱」とは、「熱の移動を防ぐこと」 を言います。
全ての素材は、 多かれ少なかれ「熱の移動を防ぐ」働きがあります。
その中でも、 熱伝導率が、0.1 W/m・K 以下になるものを、 「断熱材」と言います。
※0.1 → 0.05 という専門家もいます。
断熱材で有名なのは、グラスウールです。廃棄されたガラスが、グラスウールの原材料ですが、 ガラスって、「断熱性」高くなさそうですよね。ビールの入ったガラスのコップは、 結露で、たくさん、汗をかきます。これは、冷たいビールの冷たさが、 ガラスの表面に移動しているからです。では、 なぜガラスが原料のグラスウールが断然材になるのでしょうか?
それは、グラスウールが包んでいる空気が断熱をしている からです。
空気の熱伝導率は、0.02W/m・K と、 とても高い断熱性能を誇っています。
基本的に、 多くの断熱材は空気で断熱している と考えてください。
※ 一部、ガスで行うものもあります。
空気そのものが断熱材にならない理由
ここで、疑問に思われる方も多いと思います。
私たちの廻りは空気で満たされています。 これが断熱性能が高いのであれば、 そもそも断熱材など、必要ないのでは?
残念ながら、空気は断熱性は高いのですが、 熱を持つと対流が起きて熱を伝えてしまうため、 そのままでは、断熱材にはなりません。
空気は動かないよう「固定」されることで、 断熱性を発揮することが出来るのです。
グラスウールの役割は、 子供のように好奇心旺盛な空気が、 あちこちに遊びにいかないように、 席をつくって、 おとなしく座っていただく、 ことなんですね。
とにかく壁の中の空気は動かすな
では、気密に話を戻します。
以前、気密の悪い家は、 隙間風が吹く、という話をしました。
これは、室内だけではなく、壁の中も同じです。
部屋と壁の間に気密層がなく、 壁の厚さの半分しか断熱材が入ってないとしたら、 どうでしょうか?部屋から、壁に空気が入り、 グラスウールの中の空気も、自由にうごいてしまい、 断熱材としての役割を果たしてくれませんよね。
※水色の丸いやつは、空気です、念のため(笑)
グラスウールは、 壁いっぱいに充填されて、 しっかりした気密層を確保することで初めて、 本来の断熱材としての役割を果たすことが出来るのです。
以上が、気密をすることで、 「外壁の断熱性の低下の防止」 になる理由でした。
次回は、 三つ目の理由、 「壁内結露を防止する」 について、話しますね。
では!
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