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【3事例】使いにくいシューズクロークの特徴と改善案を一級建築士が解説

一級建築士で家づくりコンサルタントの船渡です。最近、人気のシューズクロークですが、間取り・動線に注目すると、使いにくい・面倒くさいと思われるものが多いです。今回はそのような「使いにくい・面倒なシューズクローク」の特徴や改善方法を間取り診断事例を用いて解説します。

アキラ先生
理想のシューズクロークについても記事を書いているので参考にしてみてくださいね。
妻ちゃん
下の記事ですよ~
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一級建築士 船渡亮
1971年生まれ。神奈川県出身。株式会社かえるけんちく代表。 複数の住宅会社で設計士として活動後、施主のための家づくりコンサルティング会社を設立。 家づくりは「理想の暮らしを実現するための手段」という信念の元、年間1000件の家づくり相談・間取り診断を行う。 1万人が学ぶLINE・メルマガやブログ、Youtubeチャンネルも運営、電子書籍も多数出版SUUMODIMEオリコンダイヤモンド不動産研究所など様々なメディアの監修執筆も行う。著書に『人生が変わる片付けのルール』。2023年11月には講談社で間取りに関する新書を出版予定。 法政大学卒。既婚、2児の父。
目次

事例①リビングへの動線は完璧だけど、、、

では、実際に間取りを見ていきましょう (※診断した図面を元に作図しなおしたものを使用)

使いにくいシューズクローク事例1

ウナギの寝床のような南北に長い敷地に建てられた2階リビングの家。 玄関も長くなっているが、それを利用してシューズクロークが計画されています。 2階リビングへの動線も効率的で、一見、よさそうに見えるのですが、、、

どこが、問題だと思いますか?

問題点はこちらになります。

使いにくいシューズクローク事例1の問題点

①シューズクロークの開き戸が2か所ある

靴を脱ぐのに、開き戸を2か所も開け閉めしなければならないのは面倒ですよね。 荷物を持っていたらなおさらです。

②内玄関が狭い

非常に狭いですよね。アパートと同じくらいです。表玄関は広くとっていますが、 自分たちがメインで使う内玄関が狭いんだと、誰のための家だか、わからないですね。

③④子供部屋への動線が長い

子供部屋は玄関のすぐ隣なのに、シューズクロークを通るとかなりの遠回りになります。 これでは子供たちは、シューズクロークは通らず、靴は脱ぎっぱなしになるのでは? せっかく内玄関があるのに、意味をなしません。

⑤荷物は一旦、床に置きたくなる

両手に荷物を持っているような状態で玄関に入ったらまず何をするか? 荷物を床に置きますよね。 この玄関でも床において、靴を脱いで床にあがる、となると、シューズクロークは通らなくなります。 私が住民なら、必ずこのルートを行きますね。

とまあ、こんな具合です。 これは極端な例ですが、多いんですよ。こういう人の動きを考えていないシューズクローク。 ちなみに改善案はこんな感じです。

使いにくいシューズクローク事例1の改善案

LDKにいく動線は少し長くなりましたが、大分まともになったと思いませんか? 2か所あるシューズクロークのドアもひとつは、引き戸にしています。 玄関の正面ってわけでもないので、開き戸はなしにしても良いと思います。

妻ちゃん
ただちょっと内玄関が狭いよね
アキラ先生
そうなんだよね。無理やりシューズクロークにしてるけど、この幅で採用するのは正直、厳しいかな

事例②クローゼット付きで複雑な動線に

使いにくいシューズクローク事例2

こちらは、階段を中心とした回遊動線のある2階建ての住宅です。 1階にLDKがあります。 帰宅すると、内玄関で靴を抜ぎ、クローゼットで服を抜いで、洗面所で手を洗って、階段で2階へいく、 という流れになります。

綺麗にまとまっているように見えますが、どこが問題でしょうか?

使いにくいシューズクローク事例2の問題点

①そもそもですが、夏など上着を着ない場合は、クローゼットを通る必然がないので、ショートカットして自分の部屋に行くのでは? すると靴は玄関に脱ぎっぱなし?

②内玄関が狭く、LD側に出ようとすると、靴を脱いでから土間を歩かなればならないため不便

では、どうすればよいと思いますか? この場合は、思い切って、シューズクロークはなくす方向で提案してみました。

使いにくいシューズクローク事例2の改善案

こんな感じに広々した玄関になりましたね。 靴を下駄箱にしまう、という習慣づけさえできれば、シューズクロークがない方が、ゆったりした玄関にはなりますね。 この場合は、クローゼットにもLDKにも自由にいけるので、回遊動線の良さを発揮できる間取りになりましたね。

妻ちゃん
シューズクロークをなくすと、こんなに広くなるんだね
アキラ先生
シューズクロークをなくす勇気も必要だよね

事例③よくある使いにくい間取り

使いにくいシューズクローク事例3

こちらは、よく見かけるパターンです。 大き目のシューズクロークには、玄関土間から直接入る感じになります。

問題点は、、、もう分かりましたね? 靴を脱いだり、履いたりするのに、玄関土間を歩かなければならないことです。 サンダルを履いて、シューズクロークにいくのでしょうけど、サンダルは玄関に出しっぱなしになってしまいます。

使いにくいシューズクローク事例3の問題点

改善はこんな感じです。 少し収納量は減りますが、理想の状態になりましたね。

使いにくいシューズクローク事例3の改善案

妻ちゃん
この動線なら使えそうだけど、、、やっぱ狭いのが気になるな。そこまでして、シューズクロークって必要?
アキラ先生
もう少し、余裕が欲しいよね。

本当にシューズクロークは必要なのか?

そもそも、シューズクロークを設置する必要はあるのか?は再度検討した方が良いですね。
たとえば、下図のように同じ床面積でシューズクロークをなくした場合、収納量の十分確保でき、しかもゆったりした玄関になります。
ゆったりできる理由は、シューズクロークであれば必要な通路部分を、玄関部分に使えるからです。

シューズクロークをやめた事例

左側の折れ戸の中は土間収納になっていますので、ベビーカーとかキャンプ用品などは十分に入りますね。
収納量も、1.82×2=3.64Mとかなりの大容量です。
ただ、収納が両側に来るのは、圧迫感を感じるかもしれません。

玄関の圧迫感

玄関の面積が同じ場合で、比較してみるとこんな感じです。
やはりシューズクロークのみ、の方がスッキリした感じにはなりますね。
下駄箱も上図のようにカウンタータイプであれば、飾り棚的に使えますから、そこまで圧迫感はないですが、

このようにトール収納になると、ちょっと狭い感じに見えます。トールタイプにする場合は、白色を選ぶと圧迫感は和らぎます。

玄関は家の顔になる部分ですから、見え方も意識して計画する必要があります。
ざっくりとでも、絵を描いてみるとわかりやすくなりますね。


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使いやすいシューズクロークのチェックポイント

最後に、使いやすいシューズクロークにするための、 チェックポイントを話しますね。

□両手に買い物袋を持っている状態でも使いやすいか?
□出かける時や帰宅時、大人も子供も使いやすいか?
□狭すぎないか?
□収納量は、確保出来ているか?
□家族の行動に期待しすぎてないか?
□圧迫感はないか?

以上を意識しながら、間取りで暮らしてみると、問題点はわかると思います。
間取りで暮らす、とは、図面上で動きを検討することです。
圧迫感については、今のお住まいの玄関やハウスメーカーのモデルルームの玄関と、現在の間取りの寸法を比較してみると良いですね。

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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