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使いにくいシューズクロークはこれだ!使いやすい改善案も紹介

こんにちは!一級建築士で家づくりコンサルタントの船渡です。

間取り診断を行っていると、ほぼどの間取りもあるのが、シューズクローク。 ウォークインクローゼット、シューズクロークなど「納戸タイプ」の収納って、 たくさんモノが入りそうだし、スッキリしそうなので、好まれる方が多いですよね。

ですが、 間取り相談頂くシューズクロークは、使い勝手や動線上の問題を抱えているものが多いんです。 しかも、相談頂く施主の方はそれにはあまり気づいていないんですね。

で、格好の指摘ポイントになっているのですが、 あまりに多いし、後悔ポイントにもなる部分なので、記事にしようかと思います。

1.なぜシューズクロークを設置する必要があるのか?

シューズクロークを玄関に設置する目的は、主に5つです

①収納量系・・・靴やコートなどを沢山、収納したい

②用途系・・・外で使うもの(ベビーカー、サッカーボール、スキー板など)を収納したい

③一時置き場系・・・資源系ごみや新聞紙、宅配サービスの箱の一時置き場として

④おもてなし系・・・ 内玄関として使い、お客様用玄関は綺麗にしておきたい

⑤かっこいい系・・・玄関をスッキリ見せたい

どれも最もな目的ですね、うんうん。 どれか一つの目的ってよりは、複数、または全部を達成したい、という場合が多いです。

この目的があって、それを達成するために、「シューズクローク」という手段を選択している、 のであれば、なんの問題もありません。

ただ、多くの場合は、「シューズクローク」ありき、だったり、 シューズクロークを設置することで、動線が悪くなったり、生活しにくかったりしています。

じゃあ、どんなことに気をつければよいか?ですが、その前に、理想のシューズクロークを見てみましょう。

 

2.理想的なシューズクロークとは

こちらが理想的なシューズクロークです。

拙著の「人生が変わる 片付けのルール」で提案した「理想の玄関」になります。

「こんな広い玄関、出来るわけないじゃん!」って一斉に言われそうですが、(友人にも言われました) まあ、理想なので(笑)

大きさはともかくとして、ここでのポイントは

・収納量を効率的に確保できる・・・①

・ごみの一時置き場もあり、外で使うものもおける・・・②、③

・内玄関が表玄関から見えない・・・④

・表玄関がスッキリして、ゆとりがある・・・④、⑤

・内玄関は、靴の脱ぎ履きがしやすい(使い勝手)

・靴をとりやすい(使い勝手)

・内玄関から表玄関にいきやすい(使い勝手)

・洗面所が隣で手洗いがしやすい(使い勝手)

となっていることです。 ①〜⑤の全てを満たしていて、使い勝手も良いです。

私が設計する場合も、このパターンを基本にしていますし、①〜⑤を満たしつつ、使い勝手も良くします。 逆に、①〜⑤を満たせているけど、使い勝手が悪くなる場合(←よくあるパターンです)は提案しません。 また、間取り相談の場合も指摘し、改善提案を行っています。

では、どんなシューズクロークが使い勝手が悪いのでしょうか? 実例をみていきましょう。

 

3.複数の動線が考えられていないシューズクローク事例①

では、実際に間取りを見ていきましょう (※診断した図面を元に作図しなおしたものを使用)

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ウナギの寝床のような南北に長い敷地に建てられた2階リビングの家。 玄関も長くなっているが、それを利用してシューズクロークが計画されています。 2階リビングへの動線も効率的で、一見、よさそうに見えるのですが、、、

どこが、問題だと思いますか?

問題点はこちらになります。

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①シューズクロークの開き戸が2か所ある

靴を脱ぐのに、開き戸を2か所も開け閉めしなければならないのは面倒ですよね。 荷物を持っていたらなおさらです。

②内玄関が狭い

非常に狭いですよね。アパートと同じくらいです。表玄関は広くとっていますが、 自分たちがメインで使う内玄関が狭いんだと、誰のための家だか、わからないですね。

③④子供部屋への動線が長い

子供部屋は玄関のすぐ隣なのに、シューズクロークを通るとかなりの遠回りになります。 これでは子供たちは、シューズクロークは通らず、靴は脱ぎっぱなしになるのでは? せっかく内玄関があるのに、意味をなしません。

⑤荷物は一旦、床に置きたくなる

両手に荷物を持っているような状態で玄関に入ったらまず何をするか? 荷物を床に置きますよね。 この玄関でも床において、靴を脱いで床にあがる、となると、シューズクロークは通らなくなります。 私が住民なら、必ずこのルートを行きますね。

とまあ、こんな具合です。 これは極端な例ですが、多いんですよ。こういう人の動きを考えていないシューズクローク。 ちなみに改善案はこんな感じです。

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LDKにいく動線は少し長くなりましたが、大分まともになったと思いませんか? 2か所あるシューズクロークのドアもひとつは、引き戸にしています。 玄関の正面ってわけでもないので、開き戸はなしにしても良いと思います。

4.複数の動線が考えられていないシューズクローク事例②

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こちらは、階段を中心とした回遊動線のある2階建ての住宅です。 1階にLDKがあります。 帰宅すると、内玄関で靴を抜ぎ、クローゼットで服を抜いで、洗面所で手を洗って、階段で2階へいく、 という流れになります。

綺麗にまとまっているように見えますが、どこが問題でしょうか?

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①そもそもですが、夏など上着を着ない場合は、クローゼットを通る必然がないので、ショートカットして自分の部屋に行くのでは? すると靴は玄関に脱ぎっぱなし?

②内玄関が狭く、LD側に出ようとすると、靴を脱いでから土間を歩かなればならないため不便

では、どうすればよいと思いますか? この場合は、思い切って、シューズクロークはなくす方向で提案してみました。

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こんな感じに広々した玄関になりましたね。 靴を下駄箱にしまう、という習慣づけさえできれば、シューズクロークがない方が、ゆったりした玄関にはなりますね。 この場合は、クローゼットにもLDKにも自由にいけるので、回遊動線の良さを発揮できる間取りになりましたね。

 

5.玄関が散らかりそうなシューズクローク

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こちらは、よく見かけるパターンです。 大き目のシューズクロークには、玄関土間から直接入る感じになります。

問題点は、、、もう分かりましたね? 靴を脱いだり、履いたりするのに、玄関土間を歩かなければならないことです。 サンダルを履いて、シューズクロークにいくのでしょうけど、サンダルは玄関に出しっぱなしになってしまいます。

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改善はこんな感じです。 少し収納量は減りますが、理想の状態になりましたね。

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本当にシューズクロークは必要なのか?

そもそも、シューズクロークを設置する必要はあるのか?は再度検討した方が良いですね。
たとえば、下図のように同じ床面積でシューズクロークをなくした場合、収納量の十分確保でき、しかもゆったりした玄関になります。
ゆったりできる理由は、シューズクロークであれば必要な通路部分を、玄関部分に使えるからです。

左側の折れ戸の中は土間収納になっていますので、ベビーカーとかキャンプ用品などは十分に入りますね。
収納量も、1.82×2=3.64Mとかなりの大容量です。
ただ、収納が両側に来るのは、圧迫感を感じるかもしれません。

玄関の面積が同じ場合で、比較してみるとこんな感じです。
やはりシューズクロークのみ、の方がスッキリした感じにはなりますね。
下駄箱も上図のようにカウンタータイプであれば、飾り棚的に使えますから、そこまで圧迫感はないですが、

このようにトール収納になると、ちょっと狭い感じに見えます。トールタイプにする場合は、白色を選ぶと圧迫感は和らぎます。
玄関は家の顔になる部分ですから、見え方も意識して計画する必要があります。
ざっくりとでも、絵を描いてみるとわかりやすくなりますね。

使いやすいシューズクロークのチェックポイント

最後に、使いやすいシューズクロークにするための、 チェックポイントを話しますね。

□両手に買い物袋を持っている状態でも使いやすいか?
□出かける時や帰宅時、大人も子供も使いやすいか?
□狭すぎないか?
□収納量は、確保出来ているか?
□家族の行動に期待しすぎてないか?
□圧迫感はないか?

以上を意識しながら、間取りで暮らしてみると、問題点はわかると思います。
間取りで暮らす、とは、図面上で動きを検討することです。
圧迫感については、今のお住まいの玄関やハウスメーカーのモデルルームの玄関と、現在の間取りの寸法を比較してみると良いですね。

 

動画版では、別の視点でより詳しく解説

シューズクロークの3つのポイントについて、動画でも解説しました。
ブログ記事とは違った視点で解説していますので、こちらも視聴してみてください。

シューズクロークを計画している方は、こちらの記事も参照してくださいね。実際の間取り診断動画も公開しています。

【間取り診断事例紹介】凝りすぎて失敗している玄関動線

では!

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家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。 一級建築士 / インテリアコーディネーター