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勾配天井の8つのメリットと6つのデメリット

こんにちは!

2階にLDKを採用する場合は、 私は勾配天井にすることをお勧めしています。

10年前に建てた自宅(2階建て、ロフト付))も、 2階がLDKのため勾配天井を採用していて、その良さを実感しているからです。

ただ、デメリット、というか注意すべき点や住んでみてわかったこともあるので、こちらも合わせて紹介します。

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目次

勾配天井の8つのメリット

まずはメリットを8つ紹介します。

1.部屋を減らさないで、開放感を得られる。

これは、勾配天井ならではのメリットかと思います。

1階LDKでその上に2階がのっている場合、 開放感を出すために、吹き抜けを設けると、 どうしても部屋を犠牲にしなければなりません。

敷地が狭い場合などは、吹き抜けを付けると、 間取り上、結構痛いんですよね。

また、LDKの南側に吹き抜けをを持ってくると、 本来は、2階に南向きで部屋を作れるのに、 それを諦めなければならなくなります。

2階のLDKのように、部屋の上が屋根の場合は、 元々、使われてない部分を利用することになるので、 部屋を減らさずに開放感を得ることが出来ます。

 

2.高窓で、空を楽しむことができる。

私が最もメリットとして感じているのは、 「視線が気にならない」高窓を設置できる、ということです。

ちょと前のYKK APのCMで、 窓の高さが高くなっていくことで、 部屋の明かりが豊かになっていく、というものがありました。

良くできたCMで、ほんとその通りです。

窓は高いほど、 空間をドラマティックに演出してくれます。

私の自宅も3角形の高窓がありますが、 廻りの視線を気にせず、空を眺めることができ、 太陽光の変化も楽しめるし、 鳥や飛行機が飛んでるのもわかるし、 お月様も楽しめます。

moon04

満月の夜は、月明かりで部屋が明るくなって、 本当にきれいです。

庭が見える窓、というのも素敵ですが、 庭の手入れに自信がない(私のような方)は、 空が見える窓があると、 自然を楽しめる部屋になります。

ただ、これが、1階リビングの吹き抜けですと、 窓がちょうど2階にくるので、近隣の状況によっては、 視線が気になりますし、カーテンを付けざるを得なくなります。

すると、この空を楽しむ、、、 というわけにはいきません。

2階リビングの勾配天井の特権といえるでしょう。

※ただし、用途地域が、絶対高さのある、 第1種(第2種)低層住居専用地域に限ります。

 

3.照明なしで明るい部屋にできる。

DSC_5677

これは竣工写真でカーテンがないのでわかりやすいのですが、 我が家の南側には家が迫っていました。

また、東も西も家に囲まれていたので、 明るい部屋にしたいと思ったら、上から光をとるしかなかったんですね。

勾配天井を利用して、南にも北にも窓を付けたおかげで、 日中は照明を付けずに、常に明るい部屋にすることが出来ました。

実はその後、この前の家は建て替えられて、ここは庭になったので、 この窓からの景色はとても良いものになりました。

(本当に幸運だと思います。お隣さんに感謝!))

ただ、逆の結果もあり得たわけで、将来の近隣の建て替えも考えると、 高窓を設置することで、明るさを担保できますね。

 

4.高窓を付けることで通風をとりやすい

南側に大きく開口をとって、北側に高窓を設置するって形は、 通風を意識したエコハウスの断面図には見られます。

うちもこんな感じで計画しています。

断面小

 

エアコンのいらない家」という本のレビューでも紹介しましたが、 確かに、暖かい空気は上にいくので、 夏の熱気を夜に排出する(ナイトパージ)としては有効だとは思います。

ただ、まったく風のない熱帯夜に、こういう窓があるからと言って、 風が起こるかというと、起きません。

少なくとも、体感できる空気の流れを感じることは出来ませんでした。

とはいえ、風が通りやすくなるのは事実。 メリットとしてあげたいと思います。

IMG_1756

ちなみに高窓の窓の開け閉めは、うちではオペレーターというものを使います。

これは手動でくるくる回す感じですが、電動やひもで引っ張るタイプもあります。

 

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5.ロフトや屋上への階段(梯子)をかけやすい

小屋裏収納(ロフト)を作る場合、そこへのアクセスは、 天井用梯子か、可動梯子、階段で上ることになります。

天井用梯子は、こんな感じのです。 以前は、小屋裏にいくのはこのタイプが多かったですね。

小屋裏梯子

可動梯子は、私の自宅のような感じです。

DSC_5690

また、最近は階段で小屋裏収納(ロフト)に行くことも出来ます。

最初の天井用梯子の場合は、勾配天井でなくても大丈夫ですが、 可動梯子や階段の場合は、勾配天井と絡めて計画することで、 一体的な空間構成とすることが出来ます。

IMG_1762

屋上へは一般的に、ペントハウスで上ることが多いですが、 このように梯子で上る計画も可能です。

 

6.焼き肉などの臭いがこもりにくい

天井が高い分、臭いがこもりにくい、 というのもメリットです。

夏の場合は、高窓を開けたままにすると、 夜の焼き肉の臭いは、朝にはほぼ、なくなっていました。

これは容積が大きいことと、通風しやすいことの両方による、 効果かと思います。

 

7.吹き抜けよりエアコンの効きが良い

部屋の容積が大きい、という話をしましたが、 あまりに大きいと、冷暖房の効きが確実に悪くなります。

勾配天井の場合も、一般的な天井高さの場合よりも、 エアコンの効きは悪くはなりますが、 1層分の吹き抜けを作るよりは、小さくてすみます。

 

8.ヘリを飛ばせる

メリットというほどではないですが(笑)、 天井の高さを利用した遊びが出来ます。

室内用のラジコンヘリを飛ばして遊んだこともあります。

 

勾配天井の6つのデメリット

次に6つのデメリット(注意点)になります。こちらをクリアしてないと、ちょっと残念な勾配天井になるかも、、、

 

1.断熱・気密性の高い住宅とする。

勾配天井だから! といいわけではないですが、 断熱・気密性の高い住宅にすることが大事です。

基準としては、最低でも次世代省エネ基準はクリアしたいですね。

理由としては、暖かい空気は上にいくため、 天井が高い分、部屋全体は暖かくなりにくいのです。

また、高窓を設置する場合で、カーテンを設置しないのであれば、 窓の性能自体を上げることが重要になってきます。

家全体の熱損失のうち、窓からは4割を占めると言われています。 私の自宅は窓だらけで、しかもこの3角の窓は単板ガラスなので、 結構、寒い空気が下りてきます。(コールドドラフト現象)

断熱・気密については、こちらの講座をごらんくださいね。

>>僕でもわかる断熱の話

>>わかりやすい高気密住宅講座

 

2.照明計画に気を付ける①

LEDが主流になってきたので、電球交換というのはあまり考えなくなってきましたが、 でも、いつかは交換することになります。

その時に、あまりに高い位置だと、自分で交換することは出来ず、 電気屋さんにお願いすることになり、お金がかかります。

ダウンライトを採用した場合は、特に大変ですね。

ただ、そのそも最近のダウンライトは、 器具と電球の一体型を採用している場合が多いので、 LEDが切れた時点で器具交換することになるのですが、、、

みなさんの家のダウンライトも、 気を付けないと一体型で計画されていますよ。

こういう話を、電気メーカーの営業さんに話すと、

「照明器具の交換時期は10年ですから、器具よりもLEDの寿命の方が長いです。」

と説明されます。

ようは、10年たったら、照明器具は交換してね。 もちろん、ダウンライトは電気屋さんを呼んでの交換になるけど、 仕方ないよね、だって交換時期は10年なんだから。

あかりの寿命と交換時期

まあ、仕方ないけれど、実際問題としては、10年で器具交換する人は少ないでしょう。 私も10年になりますが、器具を交換する気はありません。

考え方次第ですが、 自分で電球を交換したい、という場合は、 「電球交換型」のLED照明器具を選び、手が届く範囲に設置するようにしましょう。

 

3.照明計画に気を付ける②

勾配天井は、開放的だしハイサイドライトを設ければ、日中はとても明るくなります。
ただし、夜は太陽の光が入らないため、照明で明るくする必要がありますね。

その時に注意すべきが、天井面の明るさの確保です。

これは、私がスイッチ・コンセント診断を行う時に、よくアドバイスするのですが、吹き抜けや勾配天井の場合、天井面を明るさを確保する、ということがとても重要です。
実用的な面でいえば、明るさは作業面、例えば、ソファに座って本を読めるとか、料理するときに素材がよくわかるとか、ダイニングテーブルが明るいとかが大事ですね。

ただ、部屋が明るく見えるかどうかは、壁や天井が明るいかどうか、によって、ほぼ決まってきます。
なぜなら、私たちの視線は、自然と壁や天井に行きますので、そこが暗いと、暗い部屋、と感じてしまうからです。

フラットな天井の場合は、普通のシーリングライトをつければ、自然と天井は明るくなりますが、勾配天井の場合は、照明計画自体が難しいので、意識して天井を明るくする必要があります。

照明計画をするときには気を付けてくださいね。

 

4.採用する部屋に注意しましょう。

以前いた工務店のモデルハウスでは、 主寝室に勾配天井が採用されていました。

しかも照明は白熱灯のダウンライトだったので、いたるところが切れたまま、という、 かなり残念な感じでした(苦笑)

個人的には、主寝室は平天井の方が落ち着くかな、と思います。 子供部屋でロフト付にする場合などは良いとは思いますが。

 

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5.風船がとれなくなる。

 

IMG_1754

天井が高いので、ひもを放すと、風船がとれなくなります。 まあ、当たり前の話なのですが(笑)、この10年で何回かありました。

 

6.コストアップになる。

平天井を張る場合に比べて、下地材や仕上げ、断熱工事など全体的にコストアップになります。

特に断熱は、それまでグラスウールで考えていたものが、場合によっては、天井懐を薄くするために、板状の断熱材に変わることもあるので、大幅なアップになる可能性はあります。これは、施工会社に見積もりを出してもらうしかないですね。

 

以上です。5の風船はともかくとして(笑)、採用するときは、これらのことに気を付けて、快適な勾配天井ライフを楽しめるようにしてくださいね。

では!

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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