私は、設計者としての仕事をしながら、様々な方から家づくりや、間取り相談を受けています。
間取り相談で、真っ先にチェックするのが、
リビング階段であるかどうか?
リビング階段だと、暖房効率が落ち、寒くなる、という話は、よく話していますが、
間取りとしては、魅力的なので、要望される方は多いのです。
当然、皆さん、 「リビング階段にしたいけど、寒いのは嫌!」 です。
これから紹介する7つの方法で、リビング階段であっても、快適なリビングにすることが可能です。
~階段で仕切る~
暖かい空気は、上昇します。冷たい空気は下降します。
リビング階段が寒いのは、せっかく暖めた空気が二階に上昇してしまうことが原因です。
空気の上昇をなくすには、、、階段手前で仕切ってしまうのが、一番です。
1)引き戸を設置する
新築の場合は、引き戸を設置して、夏は開放し、冬は閉める、というのが良いでしょう。
この場合、引き戸を開いてすぐに階段があると、階段を降りてきた時に引き戸が引きにくい、です。
上図のように、二段分(45センチ)廊下があって、それから、登る感じに出来れば、引きやすくなります。
2)カーテンを設置する
新築でも引き戸を付けられない、または、もう住んでらっしゃる場合は、
ロールスクリーンや、カーテンでの対応になります。
例えば、こちらのサイトでは、このようにカーテンを設置されてました。
この階段形状でも出来てしまう、のがすごいですね。
3)気積を小さくする
一階に、引き戸もロールスクリーンも付けられない場合は、二階に設置しても良いです。
最近は、小屋裏収納まで固定階段で登る間取りも多いです。
そのままでは、小屋裏収納が一番、暖かく快適!となりがちです。二階で仕切るだけでも、だいぶ違います。
なるべく、暖房する気積を小さくする、という意識で間取りを見直してください。
~断熱気密性能を上げる~
お金はかかるし、建築会社にもよりますが、快適さを求めるなら、王道の方法です。
4)Q値1.8、C値1.0以下とする。
実は、断熱気密性能を上げると、 吹き抜けや、リビング階段であったとしても、寒い!ということはなくなります。
目安は、 Q値(熱損失係数)1.8、 C値(相当隙間面積)1.0 (関東以南の場合) 程度です。
これは、国が定める、トップランナー基準に相当するものです。
大手メーカーで、これをクリアする商品を持っているのは、スウェーデンハウス、一条工務店など。
ほとんど仕切りがない、無印の「縦の家」も、これくらいの性能があります。
また、この性能は、断熱気密性能にこだわる工務店なら、楽にクリアできます。
~暖房性能を上げる~
どのような暖房にするかも、すごく重要です。
次世代省エネ基準をクリアすることは前提になります。
5)床暖房にする
次世代省エネルギー基準をクリアしている住宅で、 気密性が高ければ、床暖房にすることもオススメします。
ただし、床暖房は、必ず、床面の70パーセント以上敷設すること。 部分的に設置すりだけなら、暖房としては、役に立ちません。
また、ランニングコストを下げるため、温水式で、熱源を都市ガスか、ヒートポンプにすることがオススメです。
6)全館空調にする
こちらも、次世代省エネルギー基準をクリアして、気密性が高い前提ですが、
全館空調にすれば、部屋ごとの温度差がなく快適です。
全館空調は、第1種換気で熱交換器を使うのが普通ですので、寒い外気が室内に入ることは、なくなります。
設置費用は、40坪までなら、材工で200万円程度になります。
7)エアコンの容量を大きくする
1)~6)が出来ない場合は、 エアコンの容量を大きくするしかありません。
通常、LDKに設置する場合は、LDKの大きさしか容量を見ないですが、 階段や二階の廊下なども含めた畳数で選びましょう。
いかがでしたでしょうか?
リビング階段を検討する時は、参考にしてみてくださいね。
では!
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