今日は、前回に引き続き、外壁の通気工法の防水の役割について話してみます。
建築での防水の考え方は、「進撃の巨人」に出てくるような城塞都市をイメージしてもらうとわかりやすいです。
こんな感じの都市ですよね。
「進撃の巨人」では、 シガンシナ区の壁を超大型巨人に、 ウォールマリアを鎧の巨人によって壊されて、ウォール・ローゼを失うことになりました。でもその内側にも壁があるので、 人類の全てを失うことにはなりませんでした。2重、3重と設けられた壁のおかげなんです。
防水も同じで、水の侵入を防ぐためいくつもの壁を設けています。
外壁では、まず外壁材が第一の壁です。 サイディングや左官材で隙間なく作られた壁により、 雨水の侵入を防ぎます。
第2の壁は、通気層です。 もし、外壁から水が侵入した場合でも、 通気層があるため、そこから下に水が落ちます。 水は、水切りを通って外部に出ます。
そして、第3の壁が、透湿防水シートです。 直接、雨水があたる、ということはめったにありませんが、 (工事中が一番、風雨にさらされます) ココが最後の砦になります。
この3重の壁(防水)によって、 外壁からの漏水は劇的に減らすことが出来ました。
また、木造の外壁の納まりは、 タイル張りや、板張りで、左官、サイディングであっても、 全て通気工法を採用するようになったので、 選択の幅が広がりました。どの外壁材を選んだ場合でも、 防水性を担保出来るようなったからです。
今回は、外壁の防水について話しましたが、 建築の防水の考え方の基本は、 2重、3重に防水策を施す、というものです。あってはならない漏水だからこそ、 念には念をいれているんですね。
さて、通気工法には、防水の他にもうひとつ、意味があります。 それは、躯体内の水蒸気の排出です。 次回は、それについて話したいと思います。
では!