こんにちは。
「通気工法を学ぼう」シリーズ3回目です。
今日は、壁内の水蒸気の放出についてです。「通気工法」というくらいなので、 この「壁内の水蒸気の放出」の方が、実はメインです。では、なぜ、壁の中の水蒸気は、 外に出さなければならないのでしょうか?
こちらをご覧ください。
いきなり、ショッキングな画像ですね、、、インターネットの検索で見つけてきた写真です。グラスウールが結露でぐしょぐしょになり、 カビだらけになって、 柱や土台が腐ってしまった例ですね。
では、なぜ、このようになってしまうのでしょうか? 一番の原因は、壁内結露です。
冬、室内で発生する水蒸気を含んだ暖かい空気が、壁内に入る。
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スカスカの断熱材を通過する。
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温度が急激に下がり結露する。
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その結露水をグラスウールが吸収する。
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柱、土台の腐朽が進む
これの繰り返しにより、写真のようになってしまいます。基本的にグラスウールは水分に弱いです。 ので、室内から壁内に水蒸気が入らないように、 気密シートを張る必要があります。
万が一、躯体内に水蒸気が入ってしまった場合、 また、木材から出る水分に関しては、 一刻も早く、躯体外に排出する必要があります。そのために通気層があります。
透湿防水シートは、水は通さないですが、 水蒸気を通す性質があります。また、空気は、暖かい場所から冷たい場所へいく性質があるので、 冬場は自然と通気層に向けて水蒸気を含んだ空気が抜けていきます。
ただし、構造用合板は湿気を通しにくい性質があるので、 湿気を通しやすいノボパンやダイライトといった商品を使う方が、 より安全といえます。
グラスウールは、水には弱いですが、 気密シートでしっかりと施工すれば、 とてもコスパが高い断熱材です。気密をしっかりとれる工務店は少ないかもしれませんが、 気密工事を専門に行っている業者さんもいるので、
「今の工務店はちょっと断熱弱そうだな、、、」という時は、そういう専門業者を使ってもらうように、 相談してみると良いと思います。
3回にわたって通気層について話してきましたが、 いかがでしたでしょうか?ちょっと地味な話でしたが、 意外とご存じなかったりするので、 この機会に理解いただければ、と思います。
では!
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