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間取り改善事例を紹介!|一級建築士が解説!

初めまして!

一級建築士で家づくりコンサルタントの船渡亮(ふなとあきら)です。これまで、海外も含めて日本全国で1000組以上の注文住宅の間取り診断をさせて頂きました。

今回は、私が間取り相談・診断させて頂いた事例をいくつか紹介していきます。間取り検討の参考にしてくださいね。

目次

事例1 和室とLDを並べたい

最初に紹介するのは、高気密高断熱が得意なハウスメーカーで計画中の4人家族のT様です。ご相談を頂いた時に、T様が問題と感じたのは以下になります。

T様の悩み:
・畳コーナーとリビングが離れてしまった
・ピアノが一番奥の狭い場所になってしまった

それほど大きな家ではないので、畳コーナーとリビングはつなげたいですよね。またピアノもアクセスしにくい場所にあるのは確かに問題です。

では、私が間取り診断して問題と思ったのは、こちらです。

診断で判明した問題点:
・玄関が狭すぎる
・洗面所が狭い
・洗面にタオル置き場がない
・ダイニングの廻りが動線で落ち着かない
・ダイニングが暗い
・吹き抜けが活かされてない
・和室に2組布団が敷けないため、終の棲家にできない
・道路からの視線が気になる

主要な部分のみをピックアップしたのですが、結構多いですね。

この間取りは「施主の要望」をそのまま取り入れて作られたので、全体としてみた時に様々な歪みが出てしまっています。

例えば、施主の希望である「吹き抜け」は、冬季に光を入れるためには必要なことは、診断時の断面検討でわかっています。ただ現状では、吹き抜けに面するのは、リビングとキッチンだけなので、明るくできる範囲は限られます。

また終の棲家を希望されているのに、和室に2組の布団が敷けない、という致命的な問題もあります。玄関や洗面も基本的な寸法が確保出来ていません。

ダイニングも廻りが通路になっているので、家族の団らんの場所としてはイマイチといえます。問題が多すぎるので、ブラッシュアップというよりは、全部作り直す必要がありそうです。

間取りの改善提案

間取り改善のポイント:
・リビングと和室を一体にした
・吹き抜けからの光が、LDKと和室に届くようにした
・和室に2組の布団を収納できるようにした(終の棲家対応)
・ピアノを部屋の中心にしアクセスしやすく
・玄関を広くした
・玄関→洗面のアクセスを短く
・洗面所の通路を広く
・脱衣室のタオルと下着の収納

このように、間取り診断時点での問題は全て、解決しています。吹き抜けの光も和室とダイニングに届くようになりました。

 

ただ、元々T様がこだわられていた部分については優先順位を下げさせていただきました。

T様の当初のこだわりで優先順位を下げたもの
・直線階段
・パントリー収納

直線階段は、老後の上り下りを考慮したものでしたが、1階に寝室にできる大きさの和室を確保できたので廻り階段にしました。パントリーは、現在の住まいを確認した上で、4人家族の収納量は確保できため、縮小しています。

「施主のこだわりの優先順位を下げる」というのは、設計者はなかなかできません。施主への説明に手間がかかりますし、機嫌を損ねてしまってはメンドウだからです。

 

 

ただそのこだわりが、良い間取りにならない「ボトルネック」になっている場合が多いです。(今回は、直線階段でした)

もちろん、最終的に決めるのは施主自身ですから、最適な案を選択できるように、複数の改善提案を行い、それぞれのメリットデメリットを丁寧に説明する必要があります。

今回は、全5案作成して、最終的にこの案が採用になりました。

 

事例2 吹き抜けと階段を一体化したい

2つ目の事例は、地元で人気がある住宅会社で建てる4人家族のMさんです。この会社は坪単価が安い割に高スペックなのですが、なにしろ「提案力」がありません。私も数多く診断していますが、どれもイマイチな間取りが多いです。M様の悩みは以下の通りです。

様の悩み:
・吹き抜けと階段を一体化したい
・ファミリークローゼット位置がイマイチ?
・和室がここで良いかわからない
・廊下が無駄に見える

といった感じです。「吹き抜けと階段を一体化」は明確な希望ですが、他はなんとなくシックリこない、という感じでした。ただ7割は気に入っている、ということなので、そこまで大きな不満があるわけではないですね。

では、私が診断した結果を紹介します。

診断で判明した問題点:
・土間収納が無駄に広い(M様にはそれほど収納するものはない)
・部屋着に着替える場所が廊下
・キッチンが暗い、眺めも悪い
・和室やダイニング廻りの動線がよくない
・和室とリビングの一体感がない
・主寝室と子供部屋のドアが近く、プライバシーがない

このような感じですが、全体的に「施主の希望をそのまま入れました」感がすごくて、魅力の少ない残念な間取りに見えます。提案力のない設計者の間取り、といった感じですね。

この間取りも、ブラッシュアップする、というよりは、作り直す必要がありそうです。

間取りの改善提案

間取り改善のポイント:
・リビングを東西に長くして開放的にした
・玄関収納を最適化し、開放感も演出した
・吹き抜けと階段を一体化した
・回遊動線を採用しお客様動線と家族動線を分離した
・リビングと和室をつなげて使えるようにした
・ファミクロを中心にして回遊動線にした
・ダイニング廻りに余裕を持たせた
・家事時短できるランドリー
・主寝室の独立性を高くした
・スタディーコーナーを設けた
・使いやすい位置に大容量のパントリーを配置

M様が不満点、そして診断時の問題点も解決し、さらに「大容量のパントリー」「スタディーコーナー」「家族動線・お客様動線の分離」といったアイデアも盛り込んだものになっています。

M様は帰宅時、すぐに部屋着に着替える・又は入浴する、ということでしたので、玄関からリビングまでの動線に、手洗い→コートかけ→部屋着に着替える という流れを組み込んでいます。また回遊動線を採用することで、お客様動線の分離を行っています。

またキッチン横の最高に良い場所に、長さ1.8Mの大容量のパントリーを設けています。これだけ収納量があれば、片付けも楽ですね。

洗濯動線も最短にしました。洗面脱衣室とファミクロを横並びにすることで、洗濯から収納までの動線を最短にしています。またリビングとも近いので、家族の気配もすぐわかります。

 

M様にこの提案をする時に、一点、懸念事項としてあったのが、「キッチン横並びダイニングの不採用」です。M様は、「キッチン横並びダイニング」を気に入っていたのですが、この案では、あえて採用していません。

ただ、この案の他に、「キッチン横並びダイニング」も提案しており、それらを比較検討した上で、M様はこの案を採用されています。

どんなに素晴らしい間取りでも、比較検討しないと、その良さが理解しにくいです。プレミアム動画間取り診断では、必ず複数の改善提案を行うことで、納得いく間取り確定ができるようにサポートしています。

 

事例3 眺望を活かした間取りにしたい(近日公開)

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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