前回までのあらすじ
夏祭りの金魚すくいで、 金魚をゲットした僕のために、 家にあった穴の開いたバケツを、 修理して、水槽の替りにしてくれた、 おじいちゃん。でも穴を全部、塞ぐのは難しくて、、、
バケツの穴を塞ぐのは諦めて、 ホームセンターで水槽を買ってくれたおじいちゃん。
キンちゃんとピンキーは、 おじいちゃんちで元気してるかな?
「早めのクリスマスプレゼントじゃ」 と、 おじいちゃんは言ってたけど、 聞かなかったことにしよっと。だって、クリスマスプレゼントは、 3DSって決めてるんだもんね。 早く来ないかな、クリスマス。
今日はひさびさにおじいちゃんと買い物。 寒くなってきたので、 ジャンパーを買ってくれるんだって。アウトドア好きのお姉ちゃんが、 冬山ならやっぱ、900フィルパワー以上の、 パ〇ゴニアのダウンジャケットじゃなきゃ、 って言ってたけど、 どういう意味だろう?今度、スキーにいくから 僕もそのパ〇ゴニアがいいなー。
「ついたぞー!」
あ、おじいちゃん、 そっちはユ〇クロだよ、 暖かいジャケットは, こっちのお店で売ってるらしいよ。
「ほう、どれどれ、、、 うむ、なかなか良さそうじゃのう。あー、おねえさん、すまんのう、、、 これがチラシにあった2,990円の、ジャンパーか?」
「お客様、こちらは21,000円になります」
「なにー、チラシと一ケタ違うやないか、 どうすりゃいいんやー」
おじいちゃん、それユ〇クロのチラシだし、、、いいよ、ユ〇クロにしようよ。 そんなに悩まないで、、、そのかわりクリスマスプレゼントは、3DSね!
何で断熱されているか
「僕」はよっぽど、3DSが欲しいようですね(笑)さて、毎度のことですが、なんのこっちゃ?という展開ですが、今日は断熱の仕組みについてです。
おじいが買ってあげようとしていたダウンジャケットの断熱性は、 フィルパワーという単位で表します。重さに対する羽毛のカサを表すもので、 数値が大きいほど、断熱性が高いことを示します。
ダウンジャケットに限らず、 私たちは服を着ることで、 寒さを防ぎます。Tシャツ一枚着るだけでも、 だいぶ暖かさは違いますよね。これは、 服と皮膚の間の空気で断熱が行われているからです。※1
断熱とは「熱の移動を防ぐこと」です。
洋服には様々な素材がありますが、 どの素材でも、 「断熱」は、「空気」によって行っています。ダウンの断熱性を表すフィルパワーも、 いかに「空気を内包するか」、 がカギになっています。建築の断熱材でも同じことが言えます。 ほとんどの断熱材は「空気を内包する」ことで、 「断熱」しているのです。※2
※1 水蒸気の吸着発熱も影響します ※2 一部、ガスを使うものもあります。
空気は固定することで断熱する
「空気を内包する」と書いたのは、 空気は固定されることで初めて、 本来の断熱性を発揮するからです。
フェザーよりもダウンの方が断熱性が高いのは、 同じ厚さでも、ダウンの方が、 より多くの空気を内包できる(固定できる)、からです。
断熱性能は、熱伝導率と厚さで決まる
最近はスリムなダウンジャケットが流行っていますが、 フィルパワーの高い 高品質なダウンを使用しているからこそ、 暖かいといえます。逆に言うと、 フィルパワーの低い、低品質なダウンでも、 たくさん着れば、暖かい、ということ。
建築における断熱でも同じことが言えます。 断熱材の「熱の通しやすさ」がどの程度か、 も大切なのですが、 断熱材を「どれだけの厚さ」使用するかも重要です。
断熱性能は、「熱の通しやすさ」と、「断熱材の厚さ」によって決まります。
断熱材の「熱の通しやすさ」の値は様々で、 比較しにくいのですが、 この「断熱性能」を計算することで、 比較することが可能になります。専門用語では、
「熱の通しやすさ」 を 熱伝導率
「断熱性能」を、熱貫流率
と言いい、どちらも小さい方が、より断熱性が高いことを示します。
次回は実際に、熱貫流率を、 工法別に比較してみたいと思います。
では!
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