こんにちは!一級建築士で家づくりコンサルタントの船渡です。
間取り相談事例の紹介ですが、今回は大手ハウスメーカーで家づくりを計画されているYさんの診断事例を紹介します。
東側接道し公園が望めるという絶好のロケーションではあるのですが、南側の敷地も更地でどのような家が建つかわからない、というのが悩みとなっています。
今回は、動線や暮らし方の他にも、南側にどのような家が建つかを想定しつつ、どんな家が建ってもLDKを明るくするにはどうすれば良いか、について考えています。
隣地建物を想定する
敷地は、第一種住居専用地域です。
南側に建つには住宅以外はあまり考えられないので、住宅と想定して、日当りが良くなるように、
東西に長く計画すると仮定します。
するとこんな感じになります。
これは、今回の計画敷地にとっては最も日当り的には不利な想定ですが、それでも日当りを確保できるように、
シミュレーションすることにします。
断面で日当りを考える
では、この場合に実際の日射はどのように入るでしょうか?
考えていきましょう。平面図はこんな感じです。
黄色い部分が吹き抜けです。
こちらは私が書いた断面図です。
ハウスメーカーは断面図を作っていなかったので私が想定で書いています。
右が南で、紫に塗っている建物が隣地の想定です、左が北側の計画地です。
光の入り方は、日によって違います。
今回は、12月21日頃(冬至)と、2月14日、3月14日で比較しました。
吹き抜けの奥行きは、赤で書いた部分が、現状と同じ1.82mになっています。
また提案として、2.73Mにした場合も線を引いてあります。
12月21日の場合、太陽の光は入ってくるのですが、2階の壁にあたってしまい、1階まで届かないことがわかります。
もちろん、光は反射しますから、反射した光は1階にも届くのですが、日があたってポカポカする、という風にはならない、ということですね。これは奥行きを2.73Mにしても同じです。
次に2月14日ですね。バレンタインデーです。
2月は冬で一番寒い時期なので、光は入ってほしいですよね。
こんな感じになります。
太陽高度が少し高くなるので、少し光が入りますね。吹き抜け奥行きを1.82⇒2.73Mにするとかなり光が入ることがわかります。
次は3月ですね。
3月くらいになると、1.82Mでも太陽光は十分、1階に届きますね。
このように検討すると、吹き抜けの奥行きは2月の太陽光を1階まで入れたい場合には有効である、
ということがわかります。ですから、それを頭に入れた上で2階の間取りを考えれば、合理的に間取りを考えることが出来ますね。
動画ではこのように説明しています。
ちょっと鼻炎で鼻すすってますが(スミマセン)
日当りが不安、というのは良く相談されることなんですが、日当りは具体的に検討していけば解決する場合は多いです。
そして、最初に検討すれば、後で大きく間違うことはありません。
設計者に検討してもらえるのが一番ですが、難しい場合はご相談いただければ、シミュレーションいたしますよ。
では!