先日、メルマガ読者 Aさんから、間取りを自分達の希望に近づけるには?というご質問を頂きました。
Aさんの敷地は、風致地区に指定されています。 風致地区とは、自然美を維持保全することを目的とした制度で、樹木の伐採や建築に一定の制限がかけられています。
鎌倉などは有名ですね。
Aさんは建て替えなのですが、現状よりも床面積が小さくなり、工務店からは希望する間取りが出ないことが悩みです。
二年以内に着工したい、とのこと。 Aさんには、既に回答済みですが、一般的な悩みかもしれないので、ブログでシェアすることにしました。
では、早速回答しますね。
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1.どのような暮らしをしたいか?を家族内でまとめ、明確に伝える
間取りを希望に近づける、ということですが、工務店へ伝えている、暮らし方や希望に矛盾があったり、ブレているかもしれません。
まずは、要望を書き出してまとめてみましょう。書き出す時のコツは、部屋の大きさを書くのではなく、どのような暮らしをしたいか?について具体的に書くこと。
また、自ら間取りを考えるのは良いのですが、それを設計士に渡して、こんな感じでお願いします!とは言わないこと。
理由は、設計士のプライドが傷つくから、、、ではなく、その通りの図面が出てきて、設計士が提案しなくなるから。
自分が全て考えて家づくりをしたい!というのなら、それでも良いのですが、、、
(男性の施主に、たまにいます。家族や設計士の意見に耳を貸さないので、家族は迷惑してる場合が多いです)
設計士の提案を受けたいなら、提案をしてもらい、判断する、というスタンスの方が良いです。
2.要望に優先順位をつける
Aさんの敷地は、風致地区ということもあり、要望を全て実現するには、床面積が足りないかもしれません。
それら全てを、実現するとなると、中途半端になる場合が多いので、要望に優先順位をつけて、工務店に伝えてください。
「リビングから直接、トイレに入るのが不満」とありましたが、そのために廊下を作ると、リビングが余計に狭くなる場合があります。
ある程度は妥協して、本当に実現したいことを最優先して実現する、というようにしてください。
ちなみに、私の自宅も、LDKから直接トイレに入りますが、キッチンからは離して、奥まった位置にしたので、あまり気になりません。
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3.複数の工務店から提案を受ける、または設計士を変える
1,2をやっても納得いくプラン提示がない場合、複数の工務店からプラン提示をしてもらいましょう。つまり、工務店で競合させる、ということです。
複数見るなかで、この敷地にどのようなプランがあり得るのか?が、分かってきます。まだ、時間があるので、それらを見た上で、判断しましょう。
以前読んだ本では、このスタイルは、東京都庁の設計者である丹下健三も行っていました。 彼は、設計するときに、所員に複数の案を出させます。 16案出たら、それを8案に絞り、それぞれをブラッシュアップし、その8案を4案に絞り、という具合に、よりよい案を選んでいったそうです。
丹下健三は、優れた建築を見る目がある、という意味合いにおいて、優れた建築家であったのでしょう。 住宅においての良い案とは、施主が決めるものです。 提案は建築家でも出来ますが、決めることは施主にしかできないので、それに集中するようにしましょう。
とはいえ、一度に話を進める会社は3つまでに抑えるようにしてください。 あまり沢山の会社から提案を受けようすると、その対応だけで、土日がつぶれてしまい、大変です。
4.セカンドオピニオンに間取り診断・提案を依頼する
セカンドオピニオンに相談するメリットは、主に二つあります。
1)家づくりの方向性が定まるように交通整理してくれる
間取りが定まらないのは、1,2が家族内でまとまってない場合が多いです。 慣れない家づくりで、どのようにしたら良いかがわからず、また、工務店からのアドバイスが少ないのかもしれません。
セカンドオピニオンが入ることで、これらを交通整理をして、家づくりの方向性を定める手伝いをしてくれます。
考え方が整理され、家づくりの方向性が決まれば、その後はかなり楽になります。
2)間取りを根本的に見直した提案をしてくれる
ハウスメーカー・工務店の設計士は、様々な物件を抱えております。彼らの優先順位の最上位に位置するのは、直近で着工する家の間取りをまとめて、確認申請を下すこと。
正直、二年後の物件にそこまで時間をかけられないかもしれません。
そのため、根本的に間取りを見直す、よりは、施主からの要望をその場、その場で修正していく、という感じになり、なかなか理想の間取りに近づきません。
セカンドオピニオンの場合は、着工時期に関係なく、理想の間取りに近づけるような提案を行います。
なぜならば、コンサル一回ごとに報酬を頂く形なので、着工して初めてカネになる工務店やハウスメーカーのように、着工が最優先事項ではありません。
例え、10年後に着工する計画だとしても、施主が希望すれば、理想の間取りになるよう、アドバイスや提案をしてくれるはずです。
そういう意味では、設計事務所も同じですが、一般的には、ハードルが高いですよね。(私は設計事務所にもいたので、その良さはわかるのですが、、、)
以上になります。 参考にしてください。
今回は、回答したメールに大幅に加筆していますが、 こんな感じの家づくり相談をほぼ毎日、しています。
おかげで、寝ても覚めても、家づくりのことばかり考えている毎日です(苦笑)
では!
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