先日、メルマガ読者さんから、住宅メーカーを決める際は、必ず三社程度競合させるべきか?という質問を頂きました。その方は、今は興味のある会社が三社もないので、わざわざ建てる気もない会社を候補に上げたくない、とのことです。
結論から言うと、無理に複数の会社に提案や見積もりをしてもらう必要は、ありません。図面提案や見積もりを受けるには、打ち合わせが必要ですし、それなりの時間と体力が必要です。
気に入った会社があり、信頼できる担当者に出会えて、プランや見積もりが条件に合い、技術力も高く、経営状態も良いのであれば、何も他に色目を使う必要はないのです。
この場合は、家づくりに必要な時間は短縮されますし、会社を決める際のストレスもなくなります。これが、競合させない場合のメリットになります。
ただ多くの場合は、建築会社に対してそこまでの確信を持てないので、競合させ、比較検討することで、自分達の家を任せる会社を決めることになります。
では、競合させることのメリットとは、何でしょうか?改めて考えたいと思います。
1.期間を短縮できる
例えば、三ヶ月後には会社を決めて確認申請を出したい、という場合、一社だけで進めていると、条件が合わずに契約を断念するようなことがあると、一から出直しになってしまいます。勿論、三社で進めても、その可能性はあるのですが、リスクを減らすことは出来ます。
毎週末、何処かの会社と打ち合わせ、となり、時間は必要にはなりますが、期間としては、短縮できそうです。
2.提案や見積もりに納得できる
住みたい家、もっと言うと、新居での家族の理想の暮らしが固まってない場合は、幾つかのプランや見積もりを見ることで、イメージを固めていくことになります。また、気に入ったプランがあっても、いざ決めるとなると、迷ってしまうのも人情。複数のプランを見て納得したいですよね。
見積もりについては、それが妥当なのかを確認する意味もあります。
3.値引き交渉が出来る
競合があります、というだけで、担当営業マンの戦略は変わってきます。例えば、三井ホームと、スウェーデンハウスが競合する場合、どちらも高気密高断熱を得意とするメーカーですので、それ以外の自社の特徴をアピールしてきますし、見積もりも、他社に合わせてきます。特に値引き交渉はしなくても、値引幅は増えるはずです。 (但し、いつの間にか、仕様が下がってることもあるので、注意は必要ですが)
4.多くの知識を得られる(かも?)
これは、営業担当者のレベルによりますので、正直、なんとも言えません。平気でウソつく人もいますので、逆に混乱するかもしれませんが、まともな営業や設計者ばかりであれば、多くの知識は、得られそうです。
ただ、優秀な営業さんでも、例えばヘーベルハウス、セキスイハイム、ダイワハウスといった鉄骨系のメーカーの場合、耐震については詳しくなるかもしれませんが、 断熱気密性能について、きちんとした知識を得るのは難しいでしょう。(どの会社もそれほど力を入れてないので)
ので、基本的には、書籍やブログ、セミナーなどで、自ら基本を学び、理想の家づくりを実現できるのは、どの会社か、を選んでいく必要があります。その上で、営業や設計の話を聞けば、より深く知識を得ることができます。
以上が、競合させるメリットになります。
上記を理解した上で、一社だけで進める、と決めるのは、良いと思います。ただ、その場合は、建築に詳しい知人や、相談できるコンサルがいると、客観的に見れて安心ですね。
では!