注文住宅で家を建てようっていう時に、 「在来軸組工法」か、「ツーバイフォー工法(枠組み壁工法)」にするか?は、悩みどころかもしれません。
ローコスト住宅の場合は、ほぼ在来工法しかないので関係ないのですが、高気密高断熱だったり、全館空調というキーワードで探すと、スウェーデンハウスや三井ホームなど坪単価高めなツーバイフォーメーカーが候補にあがります。
じゃあ、ツーバイフォー工法って高いの?って感じになりますが、賃貸アパートの大東建託が採用しているくらいですから、国際規格化された構造材は、安く手に入りますので高いってことはありません。
私自身、在来軸組工法も、ツーバイフォー(又はツーバイシックス)工法も、どちらも設計したことがありますが、正直、ツーバイフォーの方が構造躯体の価格は安いし、在来工法と違い、合理化された工法なので安心感がありました。
といっても、ツーバイフォーは、日本の高温多湿な風土には合わないんじゃないの?と感じている方も多いかと思います。
そこで、今回は、ツーバイフォーを代表とした枠組壁工法を、日本で建てる場合の8つの特徴を話しますね。
1.地震や台風に強い面構造である。
木造の枠組材に構造用合板などの面材を緊結して壁と床を作り、適切な壁の配置を行ったうえで壁と床を一体化し、剛性の高い壁式の構造を形成する点にその特徴がある。こうした工法であるため、枠組壁工法による住宅は、建物にかかる荷重が壁全体に分散して伝えられ、耐震性にすぐれている
日本ツーバイフォー協会からの抜粋
要は、枠組壁工法は、壁と床が一体化して作られているので、建物にかかる荷重が分散され、地震にも強い、ということです。
実際、阪神淡路大震災で被災したツーバイフォー住宅のうち、96パーセントは、特に補修をする必要なく、継続して居住できる状態だったそうです。
これは、東日本大震災でも同じような結果になっています。 ツーバイフォーが地震に強い、というのは地震で実証されているんですね。
一方、軸組工法はというと、、、阪神淡路大震災では古い木造住宅がたくさん倒壊しました。
その結果を受けて、建築基準法は改正されて、 モノコック工法という軸組工法の柱と梁を構造用面材で固定する工法が主流になりました。
これにより、枠組壁工法のように外力を面で受けて分散することができる面構造となり、結果、耐震性も向上しています。
ので、今は、ちゃんとした設計と施工をしていれば、軸組工法が地震に弱いってことはないのですが、ツーバイフォーの場合は、多少施工精度が悪くても地震には強い、と言えそうなので、そういう意味では安心感がありますね。
2.設計・施工がマニュアル化させれいて、施工精度のばらつきが少ない
「腕の良い大工」に頼みたい、とは、木造住宅を頼む場合は思いますよね。 とくに、軸組工法の場合は、高い技術を持った経験豊かな大工が理想的です。逆にいうと、大工の腕によって、建物の品質が変わってきてしまう、とも言えます。
一方、枠組み壁工法の品質は、合理化・マニュアル化された工法なので、大工の腕の良しあしに、 軸組工法ほどは、左右されません。
そのため、物件による施工精度をバラツキが少ない、とも言えます。
3.高気密高断熱化しやすい。
床と壁を組み立ててゆく、という構造上、高気密・高断熱化しやすいのが特徴です。 例えば、ツーバイフォー住宅(枠組み壁工法)の壁の天井の納まりは下記のような感じです。 ※図面は、ツーバイシックスです。
壁と天井が一体になっており、隙間がないように見えますよね?
壁と床の納まりも同じように隙間がありません。
これにプラスして、気密シートなどで気密処理をするわけですから、施工的な工夫をしなくても気密性は高くなります。 もちろん、軸組工法でも気密性を高めることは出来るのですが、それなりの技術と工夫が必要になります。
4.簡単に「省令準耐火」にすることが出来、火災保険が安くなる。
木造住宅は、火災に強い「省令準耐火」にすることで、火災保険を大幅に下げることが可能です。
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軸組工法でも可能なのですが、ツーバイフォー住宅(枠組み壁工法)の場合は、 たいした工夫をしなくても「省令準耐火」にすることが出来ます。
理由は、上図のように構造的に、1階であがった火が、2階に延焼しにくいためです。 軸組工法の場合は、別途ファイヤーストップ材を設ける、などが必要になります。
5.意外にも、開放的な空間は作りやすい
開放的につくりたいなら、軸組工法、と言われていますが、 ツーバイフォーでもかなり開放的には作れます。
抜粋:建築用語
一区画で、40㎡まで(床補強をした場合は60㎡まで)の空間を作れるわけですから、 24帖(補強すれば36帖)くらいの空間は普通に作ることが出来るわけです。 住宅で考えたら、まあ、十分な広さですね。
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6.アールの壁を作ることが出来る
以前、在籍していた設計事務所の作品なのですが、ツーバイフォー住宅の場合、このようなアールの壁をつくることが可能です。
抜粋:アーネストアーキテクツ
※この住宅の場合は、1階はRCで、2,3階がツーバイシックス
軸組工法の場合は、このような住宅をつくることは難しいですね。
7.まぐさが必要なので、ドアの高さは、2mまで。
これは、デメリットです。 ツーバイフォー住宅(枠組み壁工法)は、開口部に必ず、「まぐさ」を入れる必要があるため、 背の高い窓を入れることが出来ません。
2.4M程度の天井高さの場合、窓やドアの高さは、2Mまで、ということになります。
8.下地の不陸を拾いやすいので、壁や天井がゆがんでみえることも。
これも、デメリット。 ツーバイフォー住宅(枠組み壁工法)は、壁や床下地の調整が難しいため、 仕上げをした時に、不陸(凹凸)が見えやすくなることがあります。
特に寝室の天井は、仕上げによっては不陸が目立ってしまいます。 なるべく、不陸がわかりにくい、厚めのクロスにすることをお勧めします。
以上になります。
デメリットはあるものの、メリットも多いため、年々、ツーバイフォー住宅のシェアは増えているようです。また、在来軸組み工法もツーバイフォーの良い部分を取り入れて、モノコック工法を標準にしている会社も増えています。
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