家づくりの打ち合わせで、巾木が話題に出ると、半数くらいの方から、
「巾木って何ですか?」という質問を受けます。
巾木、とは、壁が床に接する部分に設置されているものを言います。
下記は自宅の写真です。
「そんなものに名前があるなんて知らなかった」
そんな声が聞こえてきそうです。 あんまり意識してないんですね。
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巾木が必要は理由とは?
巾木が必要な機能的な理由は、2つです。
1.壁と床の間に隙間が見えるのを防ぐ
複数の部材をつなげる時は、ただ、それをぶつけるだけでは、隙間が出来てしまいます。
また、床が無垢のフローリングの場合は、気温や湿度で伸縮するので、
ぴったりとくっつけると、壁を押してしまい、不具合が生じます。
そのため、少し壁と床に隙間を作ります。それを隠すための化粧材として、巾木があります。
和室の場合は、巾木は付けないので代わりに「畳寄せ」、と言うものがあります。
こういう、部材と部材をつなげるときの緩衝材的なものは、建築ではよくあります。
装飾的に見えるものは 、意外に施工上、必要だからつけている場合が多いのです。
2.掃除機や汚れから、壁を守る
床に近い部分は、掃除機がぶつかるかもしれないし、 コーヒーなどがこぼれる可能性があります。
それらから、壁を守るために巾木はある、とも言えます。
最近は、巾木の色は壁に合わせて白にすることも多いですが、
汚れ、という観点から言うと、フローリング合わせの方が、 汚れや傷は目立ちにくいといえます。
家を建てる時には必須だけど地味な存在の巾木ですが、 実は、デザイン的にはすごく重要なポジションを占めています。
はっきり言って、巾木を見れば、その人がどんなデザインをしたいのか? が、ほぼほぼわかります。
着目すべきは、高さです。
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巾木の高さとデザインの関係
実は、巾木の高さと、デザインテイストは密接な関係があります。
一般の既製品として販売されている巾木の高さは60~70mmです。
下記は大建工業さんのカタログからの抜粋です。
よく見かける感じですね。
それよりも、巾木の高さが、
高いほど、クラシカルなテイストになり、
低いほど、モダンなテイストになります。
例えば、こんな感じです。
宮殿!って感じの写真ですが、巾木に注目すると、、、 30センチくらいありそうですね、素材は石です。
これは、海外のアパートメントって感じですね。 巾木の高さは、こちらも20センチ以上あります。
以上二つは、かなりクラシカルなテイストです。
一方、モダンテイストになると、巾木をいかに見せなくするか? の納まりに建築家はこだわります。
※納まりとは、部材と部材をどのように組み合わせるか?の考え方です。
下記は、巾木なしですね。
こちらは、恐らく15mm程度の巾木になっています。
巾木なしにする、というのは可能ですが、 しっかりとした納まりの検討をしないと、綺麗に納まりません。
また、新築当初はいいけれど、使っていくうちに壁の汚れや傷が、 気になるようになるかもしれません。
でも、モダンにしたい、、、
という場合は、巾木を壁の色に合わせて白にする、 という手があります。
こちらも大建さんから拝借しました。 (もちろん、他のメーカーでも出来ます)
巾木自体はありますが、 壁の色に合わせることで存在が気にならなくなりますね。
もし、設計担当者や、コーディネーターさんから、
「巾木は、建具合わせ合わせにしますか?壁合わせにしますか?」
と聞かれたら、このことだと思ってくださいね。
壁合わせだと、モダンテイストにできます。
では!
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