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ハウスメーカーや工務店のC値が一目でわかる気密性ランキング

以前、ハウスメーカーが「気密性」を避けて通る理由について、 お話をしました。

じゃあ、気密性がないとどうなるか?というと、 以下の4つのデメリットが生じます。

 

1.隙間風が入り、計画換気が十分に出来ない。

2.断熱材が、断熱性能を発揮できない

3.暖房の効率が悪い

4.壁内で結露ができ、柱や土台が腐ってしまう。

 

上記4つをまとめると、気密性の低い家とは、つまり、

「隙間風があって、花粉やほこりは入り放題で、寒くて換気も不十分で、  

 暖房も利かず、土台や柱が腐ってしまう家」

です。

なんのことはない、戦後から平成にかけて、 ハウスメーカーや工務店が作り続けてきた家のことです。

※詳しくは、「わかりやすい気密講座」をご覧ください。

 

さて、 こんな大事な気密性能ですが、

私たちの家は、どれくらいの気密性があるでしょうか?

 

実際のところは、「気密測定」を行わないと、 どれだけの気密性があるかはわかりませんが、

どのような工法であるかをきけば、だいたいの予想はつきます。

 

今回は、カタログの工法などを見ただけで、C値の記載がなくても、どれだけの気密性があるか?

を確認するポイントを、ランキング形式で紹介します。

(カタログ記載がある場合は、そちらが正しいと考えてくださいね)

断熱や構造工法を紹介しますので、 該当するC値を確認してくださいね。

 

わかりやすさを重視していますので、かなり大雑把な話になりますが、

家づくり初心者の方には、わかりやすいかと思います。

気密性が高い順番に紹介していきますね。

 

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目次

1.防湿気密シート+高性能グラスウール(袋なし)

C値 0.16~1.2 cm2/m2

グラスウールは、壁内結露しやすい!などと言われることが多いですが、 その弱点を克服すべく、グラスウールでしっかりと気密施工をしている工務店が多く存在します。グラスウールは通常、防湿気密シートの袋入りのものを壁内に充填する方法をとりますが、 この場合は、グラスウールを壁に充填した後に、防湿気密工事を行います。

IMG_0699

そのため、経験ある工務店の場合は、気密の精度を高めやすいんですね。

この工法は、ハウスメーカーでは、スウェーデンハウスが有名ですね。

上記のC値0.16という高い気密性を誇るのは、「鎌倉パッシブハウス」です。

IMG_2757

「鎌倉パッシブハウス」は、 パッシブハウスジャパンの代表理事の森みわさんが設計し、 日本で初めてドイツパッシブハウス研究所認定を取得した住宅です。ちなみに、鎌倉パッシブハウスのQ値は、0.76 W/㎡Kとなっています。

この数値だけを見ると、一条工務店などと変わらないじゃん、と、 (高気密高断熱に詳しい方は)思うかもしれないですね。 ただ計算に使用しているソフトの精度がかなり高いため、 通常に計算するよりも、かなり、厳しめに数字が出ます。

森さんたちが開発した「建もの燃費ナビ」というソフトなのですが、 私も使ってみて、他では1.0を切っていたはずが、 1.2くらいになってしまいました。そもそも、「建ものの燃費」を計算するためのソフトですから、 現実的な数字が出るように、詳細な設定を行うようになっています。

C値は、1.0を切ることは可能ですが、多少のブレはあるかな? ということで、0.16~1.2としました。

 

2.一条工務店

C値 0.64(平均値)cm2/m2

条工務店に興味あるかたは、営業の方に散々、気密の話を聞いていると思いますので、ここでは省きますね。

 

3.新築マンション

C値 1.0cm2/m2 程度

新築マンションの気密性は、C値1.0程度、 と言われています。 15センチ以上のコンクリートの壁で囲まれているわけですから、 気密性は高いですよね。

 

高気密住宅が目指す気密性  C値 1.0cm2/m2

一般に1.0が目安となっています

 

4.現場発砲ウレタンフォーム

C値 0.4~2.0

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マグハウスの建設日記より 転載

比較的、気密性をとりやすいのが、 現場発砲ウレタンフォームです。

マンションの断熱にもよく使われていますが、そちらは30倍発砲という固めのものです。

木造住宅では、100倍発砲という、木造住宅の動きに追随しやすいタイプが使われています。

専門業者が施工するため、ある程度の質を確保できる、という利点もあり、 そこまで「高気密高断熱」に特化してない工務店でも、 採用しやすい工法と言えます。もちろん、高気密高断熱にこだわりがある工務店でも採用しており、 たとえば、ジューテックホームなどは、C値0.4を実現するそうです。

ただ、現場発砲ウレタンフォームであれば気密性を確保できるか?というと、 断熱材の厚さや、ウレタンフォーム以外の気密施工の精度にもよりますので、 一概に良いとは言えません。

 

次世代省エネルギー基準(寒冷地)  2.0 cm2/m2

全館空調を採用する場合には、この基準をクリアすることが必要です。

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4.外張り断熱工法

C値 0.5~5.0

外張り断熱は、充填断熱よりも、気密施工はしやすいと言えます。 ですが、外張り断熱を採用するメーカーもたくさん存在し、 全てのメーカーが精度の高い気密施工をしているとは限りませんので、 4番目としました。

例えば、アエラホームは、全棟気密測定を行い、C値は、0.5程度、一方、アサカワホームがHPで公表している外張り断熱仕様のC値は、3.3です。

また、ダイワハウスの外張り断熱ジーブォは、希望者のみ、気密測定をするらしいですが、ある方のブログをみると、C値2.1だったと、少し残念そうに書かれてました。 おおよそ、2.0以下を狙っている感じみたいです。

ちなみに、先ほどのパッシブハウスクラスになってくると、充填断熱+外張り断熱 を採用することになります。

(一条工務店もそうですね)

充填断熱か?外張り断熱か?という議論が以前ありましたが、それらを統合することで、より高い断熱性を得ることが出来るようになります。

 

5.鉄骨系、木造ユニット系(ハウスメーカー)

C値 2.0~5.0 cm2/m2 程度

積水ハウス、大和ハウス、住友林業、ミサワホームなどの大手ハウスメーカーは、全て、C値は、5.0としています。でも、、、この数字に根拠があるわけではなく、次世代省エネ基準だから、というだけのようですね。

実際には、これより良い数字なのか?それとも悪いのか?は、測定したというサンプルが少ないので、なんともいえないです。

C値が、5.0の場合に、一般的に問題になるのは、計画換気に支障が出る、吹き抜けやリビング階段では寒いなど。

相談を頂いた時に、リビング階段の場合は、対策をするようにお話ししといます。

リビング階段で寒いと後悔しない方法

 

次世代省エネルギー基準 (寒冷地以外) C値 5.0cm2/m2

なぜ、5.0なのか?は、わからないのですが、基準値になっています。

 

6.普通の工務店 グラスウール(袋入り)

C値 1.0~5.0 (壁、天井の仕上げ ビニールクロス)

高気密高断熱、とは無縁のあまり性能を重要視しない工務店は、袋入りのグラスウールを採用しています。

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袋入りのグラスウールとは、防湿気密シートに包まれたグラスウールです。

そのまま、躯体に充填できるので、大工さんでも断熱施工できるのですが、、、 壁には、窓や筋交い、吸排気口など様々な開口が存在しますので、袋のまま充填できない箇所があります。そういう箇所は、袋を破って施工することになりますので、そこからの水蒸気の流入で、壁内結露の危険性があります。また、そもそも気密をとる、という意識がないと、当然、気密性は悪くなります。

ただし、救いなのは、壁や天井にビニールクロスを貼っていること。ビニールクロスは、他の仕上げ材に比べて透湿抵抗が高いので、水蒸気を通しにくいのです。このおかげで、壁内結露してないお宅も多いと思います。

ビニールクロスは、思わぬところで、いい仕事してるんですね。

袋入りグラスウールも、施工マニュアル通り施工している場合は、気密性は高くなります。先日、ご連絡頂いた工務店の監督さんによると、平均で0.7程度にはなるそうです。すごいですね!

そのため一概には言えないのですが、多くの工務店は、マニュアル通りには施工していません。心配な場合はC値測定をされているか、確認された方が良いですね。

アサヒファイバーグラスの施工マニュアル

 

7.自然素材系の工務店

C値 5.0~10.0cm2/m2  壁、天井の仕上げ 珪藻土、漆喰など   

はい、申し訳ないですが、最下位は、袋入りグラスウールで、床壁が珪藻土や漆喰の住宅です。

誤解しないで欲しいのは、自然素材が悪い訳ではなく、気密をとらないことが問題です。しっかり気密施工をしていれば、むしろ、自然素材は積極的に利用したいですね。

6のビニールクロスよりも、気密性が低いのは、珪藻土などが空気や水蒸気を通しやすいから。

以前、ゲストに来て頂いた、ロハス工務店の、ケンコー☆アキラさんが 作られてるのは、このタイプですね。 寒いので、ファンヒータをガンガンたいてるようなので、自然に優しいどころじゃ、ないですね。ちなみに、グラスウールではなく、セルロースファイバーでも気密性は重要です。

以上になります。

 

今回は特に、6と7に該当する人に読んでいただきたいな、と思い、かなり大雑把に分類しました。

あくまで、参考と考えてくださいね。

では!

■関連記事

>>高気密高断熱の5つのデメリットとは?

 

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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