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注文住宅を建てるときに読みたい本5冊(中級者編)

勉強などしなくても、満足できる家を建てることは出来ます。
雨露しのげればよくて、出来た家に文句を言わずに工夫して住む、というスタンスのご家族であれば、家づくりで後悔することも少ないですね。そもそも、家にそれほど期待していないわけですから。

ですが、このブログを読んでいる方は、家づくりで理想の暮らしを実現したいと思っている方が多いかと思います。であれば、きちんと学んで、きっちり実現していきましょう!

前回は、『家を建てるときに参考になる本は? (初心者編)』 と題して、3冊の本を紹介しましたが、今回は、中級編です。家づくり直球の本ではないのですが、知っておくと役立つ本を5冊、紹介いたします。

目次

なぜ新耐震住宅は倒れたのか(日経ホームビルダー編)

熊本地震で被災した住宅の現地調査と図面分析から、在来木造住宅の倒壊の原因と対策を紹介した専門家向けの本です。専門家向けなのですが、工務店で家を建てる方には読んで頂きたいと思うかなり衝撃的な内容が書かれています。

これまで在来軸組工法といえば筋交いで耐震するのが常識であり現在でも多くの住宅で筋交いが採用されているのですが、それが実際の地震では想定された効果が出ない、といことが熊本地震は実物大実験でわかりました。つまり、筋交いだけの住宅は地震で倒壊する可能性が高い、ということです。

そのため、私の間取り診断でも筋交いだけの住宅については、モノコック工法に変更するようにアドバイスしています。その根拠となっているのがこの本です。

筋交いも制震金物と組み合わせるなど構造的な検討を行っている場合は別なのですが、これまで通りの筋交いだけの住宅はかなり危険です。契約した工務店の構造が筋交いだけだった場合には本書を紹介して再検討してもらうようにしてください。

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人生がときめく片づけの魔法(近藤 麻理恵著)

片付けブームを引き起こした『こんまり』さんのデビュー作です。日米でミリオンセラーを達成し、海外41か国で刊行されたベストセラー本なので読んだ方も多いとは思います。
実はこのブームにのろうという出版社の意向で、私は『人生が変わる片付けのルール』という本を監修することになりました。もう4年も前の話ですね。

『こんまり』さんの文章の特徴は、モノを擬人化することです。 モノを擬人化する、これは最初、オカルトチックに思えたのですが、 実は日本人は、モノに対して 「もったいない」と思うように、 擬人化、あるいは神が宿る、という風に考えてしまうことが多いと思います。擬人化しているからこそ、捨てることに罪悪感を抱きます。 その罪悪感から、 片づけが中途半端に終わってしまうことが多くなるのです。これに対して彼女は、

『本当に大切なモノを大切にするために、役割を終えたモノを捨てる』といい、

『全てのモノは、あなたに役立ちたいと思っています。  モノは捨てられて燃やされたとしても、  「あなたの役に立ちたい」というエネルギーは残ります』と、捨てることへの感情を、再定義してくれます。この『モノを大量に捨てる自分を肯定してくれる』のって、 思ったよりもずっとパワフルに 私たちを行動へと駆り立ててくれます。

もしこれが、『不要なものを収納に使うなんて床面積がもったいない』というような『合理的な説明』だけだったとしたら、 『モノを捨てることへの罪悪感』を払しょくするのは難しかったでしょう。
片づけのコツは「一気に、短期に、完璧に」 そして『まずは、「捨てる」を終わらせる」ことですが、 家づくりはまさにその絶好のチャンス。是非、読んで頂きたい一冊です。

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家相・風水で殺されない法(小池 康壽著)

現代家相研究家の小池 康壽さんの『家相・風水』の本です。本気で『家相』や『風水』に取り組んだ家づくりをされている方は読まなくても良いのですが、ちょっと気になるというくらいの方は是非、読んで頂きたい本です。

小池さんは、家相・風水を『先人の知恵』として解釈し、現代の家づくりに役立つ部分のみを紹介するという立場ですので、『よく考えたらこの間取り、鬼門に玄関があるよ、どうしよう!』と気になりだした方が読むと悩みが解決します。

私(船渡)の家相・風水の解釈はこうです。
『家相・風水』を大事にし、こだわることで運気を上げることは出来ます。ですが、こだわらなくても理想的な暮らしを手に入れ幸せになれます。
不幸になるのは、中途半端な知識で『家相・風水』のネガティブな面を気にすることです。

そして家相を気にする施主の方には、私はこのように話しています。

『家を建てた後、悪いことが起こったら、それは自分の責任、良いことが起こったら、家相のおかげと思うようにしてください。
もし、悪いことの原因が家相のせいなのであれば、それを解決するためには、家をリフォームしたり建て替えたりする必要が出てきます。
しかしそれで問題が解決する保証はどこにもありません。
悪いことが起こった場合に自分の責任と思えば、自分の行動で解決できます。その方が建設的じゃないですか?
逆に良いことが起こった場合には、家やそれに携わった方への感謝が生まれ、よりハッピーになれますよ』

その考えの元になっているのがこの本です。気になる方はぜひ読んでみてくださいね。

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言ってはいけない (橘 玲著)

人気作家 橘玲さんの遺伝、見た目、教育に関する不都合な真実をまとめた2016年のベストセラー本です。本の帯に『この本の内容を気安く口外しないで下さい』とあるように、とてもショッキングな内容になっています。しかもそのどれも論文などのエビデンス(証拠)があり巻末に参考文献としてまとめられています。

遺伝や美貌格差など興味深い内容は多いのですが、私たち子育て世代にとって最もショッキングなのが、3章の『子育てや教育は子供の成長と関係ない』です。つまりいくら子育てを頑張ったとしても、子供の人格形成にほとんど影響を与えないってことになります。この根拠となっているのはアメリカの心理学者 ジュディス・リッチ・ハリスの著作『子育ての大誤解』です。

では、何が影響するのか?それは『遺伝』と『環境』です。特に子供の『友達』が大きな影響を与えることがハリスの研究から分かっています。

では親は何をすれば良いのか?ですが、『遺伝』についてはどうしようもないですよね、自分たちだって『遺伝』を選べたわけではないのですから。残るは『環境』です。私たちが子供に対して出来るのは、子供の才能の芽を摘まない環境を与えてあげる事。この環境とは、子供部屋などではなく学校などの外部環境のことです。

この本は、直接家づくりには関係ないように見えますが、『住宅』や『空間』や『子育て』に過度の期待を持たないために読んでおきたい本ですね。

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セックスレスにならない間取り~子供がいても夫婦円満の仕組み~

私、一級建築士の船渡亮(ふなとあきら)と、セックスレス専門カウンセラーの三上かすみさんの共著となる電子書籍が『セックスレスにならない間取り』です。私は夫婦の営みと間取りとの関係について、以前から興味があったのですが、実際、アンケートを行うと、間取りの所為で営めない、ということが多くあることがわかりました。

家づくりは家族が増えることがきっかけになることが多いですが、子供はいつか巣立つもの。家の主役は夫婦、と考えることが健全だと私は考えていますので、夫婦が仲良く暮らすためには、何を考えれば良いのか?について、間取りという視点から考えたのが本著になります。

もちろん、間取りだけでセックスレスが解消するわけではありません。夫婦関係の考え方については、セックスレス専門カウンセラーの三上さんとの対談で詳しく話しています。

出版後、この本を読んで間取りを変更しました!という施主が続出、複数のメディアでも取り上げられました。間取りを決める前に、是非読んでいただきたいと思います。

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では!

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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