家づくりで失敗してしまう要因のひとつに、夫婦の意見の不一致、があります。
もちろん、不一致のままでは、決定することが出来ないので、どちらかの意見を採用することになるのですが、夫婦間の力関係により、それが決まってしまう、、、ということが多々あります。
こういう話を設計者やコーディネーターと話すと、結構、ありますねー。
奥さんが旦那よりも強くて、旦那に何も言わせない、というのや、
奥さんと、旦那の意見がまったく合わなくて、しょっちゅう喧嘩している、
旦那と奥さんが家では家の話をしないので打ち合わせにやたら時間がかかる、
など。
中でも、一番厄介なのが、 家づくりに「亭主関白」な旦那がいる場合です。
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家づくりの「亭主関白」度チェックリスト
普段は、「亭主関白」だけど、家づくりには無関心って場合はまだ良いのですが、家づくりにも「亭主関白」だったりすると、奥様や家族は大変です。
ここで、家づくり亭主関白度のチェックリストを紹介しますね。
□間取りを自分1人で考えようとする。
□料理もしないのに、キッチンの仕様や色に口を出す
□妻の意見よりも、常に自分の意見が正しいと思っている。
□性能に対してのこだわりが強い
□妻に専業主婦でいて欲しいと思っている
□建築業者に対して感謝ではなく、文句ばかり言う
□格闘技やサムライが好きである
□議論ですぐに感情的になる
□一人暮らしの経験がない
□専門家や本の影響を受けやすい
いくつ当てはまりますか?
8〜10 パーフェクト「亭主関白」さんです。
5〜7 普通に「亭主関白」さんですね。
1〜4 「亭主関白」さんに憧れてるけど、なりきれないタイプ。意外に面倒かも。
0 「亭主関白」さんの素質ゼロです。
「亭主関白」で、家が建たなくなった事例
私が以前、担当した60代のA様は、全て、自分の思い通りにならないと嫌なタイプでした。
間取りや仕様も全てご自分で考えられていて、奥様や家族、また我々工務店の意見にも耳を貸しません。
元技術者のA様は、理想の暮らしを実現する、というよりは、自分が考えた家を完成させることを目的とされていました。
奥様もそんな旦那には慣れているようで、仕方ない、、、という感じなので、A様の言う通りに計画は進みました。でも一点だけ、思い通りにならないことがありました。
それは、地盤改良です。
建て替えで、前の家では地盤に問題がなかったのですが、新築では地盤調査の結果を、地盤改良が必要と出ました。
A様はそれが納得いきません。
いくつかの業者から、様々な工法を検討し、見積もりを取りました。 全ての会社で地盤改良は必要との回答でしたが、 金額は、最低20万〜最大100万とかなりのひらきがあります。
それをもとにご説明したのですが、、、
Aさんは、あくまで、地盤改良工事は必要ない、 という考えでした。 金額の問題ではありません。
20万円の工事なら予算内で出来ましたし、サービスする、という話もしましたが、断られました。
地盤改良をする、というのは、旦那様の考えと違うので、やりたくない、ということなんです。
でも工務店側としては、地盤調査の結果、改良工事必要となっているので、改良なしで着工するわけにはいきません。
で、どうなったか?
結局、Aさんは、今は家は建てないことにしました。
解体したので、家は既にありません。 Aさん家族は、仮住まいのアパートに住み続け、 敷地は駐車場にして、地盤が堅固になるのを待つ、という選択をされました。
もちろん、Aさんが全て決めました。
「地盤が堅固になるのを待つ」というのは正直、どんだけ待つつもりなの? って感じなのですが、その是非はともかく、
このような極端な選択をしてしまう、 というのは、亭主関白でないと出来ません。
家についての価値観は人それぞれですが、Aさんにとって家は自己実現の為の道具でした。
Aさん家族の理想の暮らしを実現するためのものでは、なかったようです。
今も敷地は駐車場のままです。
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旦那が「亭主関白」な場合のメリットはある?
Aさんはかなり極端な事例です。 ですが、多かれ少なかれ、「亭主関白」さんは、自分の考えを最優先します。
旦那がリーダーシップをとって、家づくりをする、ということ自体は、全然問題ありません。 でもリーダーの仕事は、全部自分で決めることではなく、家族の意見調整です。
ただ、意見調整の結果、 玄関は、旦那の好みだけど、リビングは、奥様の好み優先、みたいに、家としての統一感がなく、(インテリアコーディネート的に)ちょっと残念な感じになることもあります。
色の好みは、どちらが正解とかはないので難しいです。出来れば、家としてのテーマを決めた方が良いですし、少なくとも、リビング、玄関などの共用部分は統一感が欲しいです。
センスの良い亭主関白さんが全部決めた場合には、統一感のある家になる可能性は高いです。
でも他の家族がそれで幸せか?は、わかりませんが、、、
家づくりに「亭主関白」な旦那対策は?
あなたがもし、自分には特に要望はないし、旦那に任せておけば大丈夫、と考えているなら、特に対策は必要ありませんが、
自分や家族の要望をかなえたい、 理想の暮らしを手に入れたい、
なら、 家づくりに「亭主関白」な旦那対策が必要です。 といっても、これまでに築かれてきた「亭主関白」な旦那と従順な妻、という関係を変えるのは至難の技。
全てに妻の意見を通そうと考えるのではなく、おさえるべき部分は、確実におさえていく、のが良いですね。
四つのポイントを紹介します。
1.子供を味方につける
妻に対しては亭主関白であっても、子供の意見は聞く、という旦那もいます。
先日打ち合わせた「亭主関白」さんの場合も、息子さんが奥様の意見に賛成したことで、奥様の意見が採用されることになりました。
明らかに、息子が奥様の味方、に見えてしまうと、「亭主関白」さんもヘソを曲げてしまいそうですが、さり気なく子供が言うのなら、
「まあ、我が子が言うなら、譲ってやってもいいか」
という感じで、「亭主関白」さんのプライドを傷つけることもありません。
大きなお子さんがいらっしゃる場合は、有効ですね。
2.旦那には聞かない
水廻りの設備関係は、お風呂以外は、「亭主関白」さんにとっては、どうでも良いポイントです。
建築会社側も基本、奥様中心で決めて行きます。
ただ、「亭主関白」さんの奥様は、自分一人で決めることに慣れてないので、旦那に意見を求めてしまいます。
すると、「亭主関白」さんは、ホントはどーでも良いはずなのに、妻とは違う意見を言い、それを通そうとします。
意見したからには、最後まで通す、のが、「亭主関白」さんだからです。
ので、あえて旦那の意見は聞かない、というのが良いかと思います。
旦那への報告は、
「これで決めたから」
だけで済ませるようにしましょう。
3.感情をぶつける
「亭主関白」さんは、議論が苦手です。 また、自分の意見が通らないと、負けたと感じ、プライドを傷つけられ、感情的になり、より頑固になります。
ので、夫婦で意見が違う場合は、議論するのはやめて、あえて感情的に話してみましょう。
ポイントは、 「私の方が正しい!」 ではなく、 「私は、こっちの方が好みなんだもの!」 という感じです。
好き嫌いに、正解はありません。 単純に好みの話を感情的に訴えれば、
「お前がそこまで好きなら、まあいいか」
となるかもしれません。 この場合も、「亭主関白」さんのプライドは傷つかずに済みますね。
ただし、「亭主関白」さんにとっても、こだわりの部分だったりすると、この方法は難しいかも。
4.かえるけんちく相談所のメルマガを夫婦で購読する
かえるけんちく相談所が運営するメルマガは、家づくり全般についてや、夫婦関係についても話しています。
本や専門家に影響を受けやすい「亭主関白」さんですから、購読するうちに、家族の理想の暮らしのための家づくり、だったり、夫婦で一緒に家づくりを考えたり、という風に変わるかもしれません。
是非、夫婦一緒に購読してみてくださいね。
では!
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