メルマガ読者さんから、 こんな質問をいただきました。
新住協の理論だと気流止めが大事となっていますが 、ソーラーサーキットは2重通気が売りなので、 この原理には当て嵌まらない工法なのでしょうか?
なるほど。断熱工法って、たくさんありすぎて、 わからないですよね。 しかも、みんな違うことを言っている感じがしますし、、、
この質問の回答としては、
おっしゃる通り、工法が違うので、当てはまりません、 ということになります。以上!
え、それだけ!? って声が聞こえてきそうなので、まず、「新住協の理論」って何?ってとこから、 話していきますね。
新住協?ソーラーサーキット?
新住協とは、 「高断熱を基本性能とした住宅技術を研究開発し、 オープン工法として公開提供している技術者集団」 のことです。主に在来軸組木造住宅をグラスウールで高断熱化する場合の、 技術の提供をしております。
これに対して、ソーラーサーキットは、 外断熱材のメーカーのカネカが株主となっている、 「株式会社ソーラーサーキットの家」の、 ライセンス工法です。新住協とおなじく、在来軸組木造住宅ですが、 こちらは外断熱工法になります。
工務店がソーラーサーキットを採用するには、 「株式会社ソーラーサーキットの家」と、 ライセンス契約を結ぶ必要があります。これにより工務店は技術提供を受けたり、 資材購入をすることが出来るようになります。
気流止めとは?
「気流止め」と聞いて、ピンとくる施主って、 10人に1人もいないのでは、、、と思いますので、 新住協から図を拝借してきました。
断熱材の性能とは、いかに空気を動かさないようにするか、 で決まってきます。昔の家が寒いのは、壁の中を空気が自由に動けたので、 断熱材(グラスウール)がその性能を発揮できなかったのが主な原因です。壁の中の空気は下から上に移動します。 高断熱化するためには、この気流を止める必要があります。 そのための方法として、「気流止め」という考えが出てきます。
上の図の青と赤の丸の部分ですね。この気流止めや気密処理をすることで、 壁の中の空気をしっかりと固定することができ、 グラスウールは、その性能を発揮することが出来ます。※この気流止めは、火災時の上階への延焼防止にも、 役立ちます。
ソーラーサーキットに
気流止めがないのはなぜか?
ソーラーサーキットで壁に使われる断熱材は、 カネライトフォームという板状の断熱材です。
外断熱工法ではこのような板状の断熱材を使用するのが、 日本では一般的です。この板状断熱材の優れているのは、 「空気をしっかり固定」した状態を、 断熱材自体で保っていること。
プールでバタ足の練習の時に使うビート板ってありますが、 あれって、触った時、温かみを感じますよね?
ビート版と同じように水の中でも、風の中でもしっかりと空気を固定し、 断熱性能を保つことが出来る、というのが、 板状の断熱材の性質になります。また、そもそもなのですが、 外断熱工法は、壁の外に断熱材を張る形になりますので、 断熱材と気流止めは絡みがないのですね。
断熱材は壁の外にあるので、壁の中は空っぽです。 夏場はそこに空気を通して、涼しく過ごそうっていうのが、 ソーラーサーキット工法になります。 (大雑把な説明でスミマセン)
そんなわけで、 ソーラーサーキットでは、「気流止め」はありません。
今回は、こんなところで。
では!
※気密については、こちらの記事で勉強しよう!