住宅の設計の仕事をしていると、
つい家づくりの本を買ってしまいます。
自分の知識をつけるため、というのもありますが、
施主がどんなことを知りたいのか、あるいは知らないのか、
を知るために買う、というのもあるのです。
家づくりを施主にわかっていただくには、
まず、どの程度施主が知っているのか、
をわかる必要があるからです。
この「間取り図でわかる買っていい家悪い家 」も、
そんな軽い気持ちで購入した一冊でした、
この本を執筆したのは、
「住まいの水先案内人」という家づくりのホームページを主宰し、
住宅コンサルティングも行っている堀 清考さん。
私もコンサルの仕事を始める時に参考にさせてもらっている、
大先輩です。(面識はないのですが、、、)
で、本の内容ですが、
「間取り図でわかる」という部分については、
第一章の部分のみに該当して、他はあまり関係ありませんでした。
ただ、それ以外の章も「家を買う」ための基準や、
ハウスメーカー、工務店選びについてなど、
実際的な知識が盛り込まれていて、
かなり参考になりました。
よく、
一般的なことは書かれてるけど、
実際にあまり使えない内容ばかり、という住宅本が多いなか、
おそらく、この本は、施主にとって、
使える本、だと思います。
たとえば、
工務店とハウスメーカー、設計事務所との違いについての解説は、
品質管理、という意味では、
ハウスメーカーに軍配があがっています。
工務店の設計者である私としても、
これには賛成。
実際、工務店のレベルは、会社によってかなりの差がありますので、
知識のない施主にとっては、
ハウスメーカーで建てた方が、
失敗するリスクは少ないのです。
現役の住宅コンサルタントとして活躍する著者による、
生きた知識を得ることが出来るこの一冊、
お勧めです。