子供の頃を、想像してください。
夏休み、あなたは、大好きなおじいちゃんと夏祭りに行きます。
わたがしや、 ラムネ、 お面などたくさん買ってもらい、 ご機嫌なあなた。最後に、金魚すくいをすることになりました。何回も挑戦して、やっと一匹、 すくうことが出来ます。
「やった!」
おじいちゃんと、
「名前はねー、金魚だからキンちゃんにしよう」
などと話ながら家路を急ぎます。
家についたあたなたはおじいちゃんを急かします。
「キンちゃんのおうちを用意しなくちゃ! おじいちゃん、水槽ある?」
残念ながら、おじいちゃんの家には、 水槽はありませんでした。
あるのは、バケツだけ。 しかも、穴が開いています。
これじゃあ、お水が溜まらないよぉ、、、、と 悩むあなた、、、
どうすりゃあ、いいんかのー、と、 悩むおじいちゃん、、、
うまそうだなーと、 キンちゃんを狙うタマ
悩んだ末、おじいちゃんは言います。
「蛇口からたくさん水を出せば、水がたまるから、キンちゃんも大丈夫じゃろ」
あなたは、子供心に思うのです。
「おじいちゃんのことは大好きだけど、 それはちょっと、、、、、、 あなをふさいだほうがいいよ、、、 というか、水槽買ってよ、、、、 」
おじいちゃんの常識を疑え
何の話? 家づくり講座じゃないの? というつっこみが入りそうですが(苦笑)、 もちろん、家づくりの話ですよ。住宅の断熱性能についてのたとえ話です。
おじいちゃん →住宅業界
蛇口 →冷暖房器具
水 →冷暖房のエネルギー
バケツ →家の断熱性能
キンちゃん →住民
あなたが思ったような 「バケツの穴は塞ぐ」という当たり前の発想は、 これまでの住宅業界にはありませんでした。
穴の開いたバケツの水位を、 効率的に、 一定に保つには、 どのような蛇口が最適か?
をおじいちゃんたちは、 必至に考えてきたのです。
国は、 キンちゃんが不快なのはお構いなしに、 蛇口の水量を減らすことばかり考えます。
HEMSと言われる、 電力を見える化をする装置も、 その延長線上にあると言えます。
でも、それって、やっぱ、本質から、ずれてますよね。
蛇口を高性能にする、という、 おじいちゃんの常識を、、疑いましょう。
水漏れのないバケツを作る
住宅の「高気密・高断熱」の流れは、
「水漏れのないバケツを作る」
という、 とてもシンプルで当たり前の考え方によるものです。
これから数回にわたって、 「断熱設計」について考えていきます。
専門用語なども出てきますが、 元々の考え方は、 とてもシンプルで当たり前の話であることを、 頭においていただければ、 と思います。
では!