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完成!ドリームハウス 「八王子 望月邸」と、断熱・気密性の基準について

2015年1月12日 TV東京の人気番組、「完成!ドリームハウス」を見ました。

今回は、建築家 望月新さんの自宅です。

木造平屋建てで、建築費4040万円となかなかの豪邸です、

敷地は、八王子の高台にあり、162坪と広大で、眺めのとても良いのですが、

敷地までは急な33段の階段を上らなければならず、

工事の大変さが番組の中で大きく取り上げられていました。

 

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スクリーンショット 2015-01-12 21.29.09

 

間取りもおおらかで良いですし、

望月さんも気さくな人柄で、 子供たちも、新居で楽しく走り回っていて、

とても良かったのですが、、、

 

実際に住むとなると、結構大変なのではないかな? と思います。

 

 「え、、、これいいの?」 と思ったのが、

6.5Mの大開口、と、 この家の見せ場となっている引違窓。

スクリーンショット 2015-01-12 21.29.54

 

ガラスはペアガラスなのですが、

サッシ自体は、建具職人が作った木製の引き違い戸で、

とても外部に使えるようなものではありませんでした。

IMG_1935 - コピー

だいたい、上図のような断面に見えたのですが、

これだと、台風や大雨の時は水が入りますし、 気密性もほとんどありませんので、隙間風が入ります。

IMG_1935

また。サッシとサッシの召し合わせ部分も、 単純に建具同士をぶつけているだけなので、

隙間風、雨は入りそうです。 (現状でも隙間があるとのこと)

 

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そもそも製作した木製の引き戸なので、 普通に反りますし、 大変なことになるのでは、、、と思います。

 

私は番組は途中から見てたので、

「こんな設計をしていいのか!」と住む方の心配をしたのですが、 建築家の自宅、ということで納得。

隙間風も、雨の侵入もわかっててやってるんなら、 まあ、いいのですけど、、、

 

でも、こういう設計スタンス自体が、 2020年の建築基準法改正で変える必要が出てきます。

断熱の最低基準が設けられるからです。

 

年間1万4000人の方が、

断熱・気密性欠如が原因のヒートショックで亡くなっている日本の現状を考えますと、

この規制は、遅すぎたくらいです。

 

日本では、まだまだ、住宅は「個人の資産」と思われています。

ので、施主が良ければ何をやっても良い、 という感覚がどこかにあります。

 

でも、住宅の「社会の資産」と考え、 後世に良質な住宅ストックを残していく、と考えるならば、

最低限の断熱性能を備えるべきなのでは? といつも思います。

 

多くの建築家は、 建築が社会的な資産として守られているヨーロッパの街並みが大好きなのに、

自分が建てる建築には、そこを求めていないように思えます。

 

それとも、 「断熱性」や「気密性」なんて、 建築家が考えるべきことではない、

と思っているのかもしれません。

 

であれば、建築家って、、、、

 

では!

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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