性能の高い建売シリーズ、 今回は、構造についてです。
建築基準法では、断熱の基準はありませんが、構造基準は大地震の度に改正されてきましたので、建築基準法に適合しているなら、それほど問題にはなりません。
平地に建つ二階建ての住宅で、普通に設計を行い、基準を守って工事していれば、心配することはありません。
もっと高性能な住宅が欲しい!場合は、長期優良住宅の認定のある建売を選びましょう。通常の1.25倍の耐震のある耐震等級2の住宅が手に入ります。
以上!
で終われば良いのですが、普通でない設計って何? と気になると思いますので、まず木構造の考え方を話します。
基本として覚えて欲しいのは、木造住宅の耐震性は、耐力壁の長さとバランスで決まる、ということです。
基準の耐力壁の長さをクリアしても、バランスが悪いとNGになります。 そのため普通の設計では、建物の角には必ず90センチの壁が配置されているはずです。
では、普通でない設計とは、どんなものでしょう。三つ考えられます。
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1. ビルトインガレージのある家
狭い敷地に駐車場を確保するために、ビルトインガレージとしている 住宅を良く見かけます。間口が狭いので、駐車場がある側の角には、耐力壁を設けることが出来ません。
このような普通ではない設計の場合、しっかりした構造検討が必要です。
ですが、二階建てで200平米未満の木造住宅の場合は構造計算を必要としませんので、構造の専門家が計画に関わることは稀です。
よって建築士の責任において設計されるわけですが、、、これは建築士の力量次第、となってしまうので、当たり外れがあります。
確実に高性能とは程遠い状況ですね。
2. 3階建住宅
木造3階建の場合は、構造の専門家による構造計算が必要になり、また防火上の規制も厳しくなります。専門家が構造計算をする、という意味で設計上は良いのですが、施工精度が問題になってきます。
日本建築検査研究所、という建築検査を行う第三者機関によると、木造三階の建売住宅の9割が違法建築、だそうです。(怖!)
この数字が正しいかはわかりませんが、確かに3階建は、構造上も防火上も複雑で、施工時に間違いやすいので、建築士によるしっかりした監理が必要です。ただ、それが出来ているかどうかは、建売住宅の場合、わからないことが多いです。
建築士による社内検査を行っており、かつ検査項目の記録と現場写真を残している、などの工事監理体制が整っている会社以外は、 施工精度に当たり外れがある、と考えた方が良いです。
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3.崖地が近い
住宅の不同沈下、は、地盤調査が実質義務化されたので、さすがに少なくなりましたが、たまに事例を聞きます。また、崖地が近くの場合、その対策をせずに着工してしまう場合もあります。
地盤がゆるそうだったり、崖が近い場合は、具体的にどのような対策をしているのか、確認をしましょう。
以上三つのどれかに該当する場合は、注意が必要です。
念のためですが、上記は、建売を想定して書いています。 また、建築士や構造設計者がしっかり検討を行い、工事監理を行った場合には普通にクリアできる問題ですので、ご安心を。
さて、このシリーズ、次回は防水について話します。
では!
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