先日、「エアコンのいらない家」という山田浩幸さんの本を読みました。 「自然の力で快適な住まいをつくる仕組み」という副題になっています。
著者の山田さんは、設備設計者(環境エンジニア)で、 大手ハウスメーカーとの共同開発なども手掛けています。
実は、以前からこの本のタイトルは知っていたのですが、 なんとなく、「胡散臭い」感じがして嫌だったんです。「実際の快適さ」よりも「エアコン嫌悪」の信念が優っている人が、 書いているのかな?と。でも、アマゾンレビューがとてもよくて、 本屋で手に取ってみたら、 とてもわかりやすく、 温熱環境のことを書かれている本でしたので、 買うことにしました。
まあ、よくよく考えてみると、 我が家も、ほぼほぼエアコンは使わず扇風機派です。 独身の頃は、エアコンのない家で暮らしていました。「無暖房の家」というは、(できなくはないけれど)かなりハードルが高いですが、 (無暖房・無冷房の家に住む、という本はありますが、実際は暖房を使っています)
「エアコンのない家」であれば、いけそうな感じがしますよね?
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数字で示されていて、説得力がある
本書では、快適さについての要素や、熱の伝わり方、通風や、省エネ方法について、 具体的な数字を用いて解説してくださってるので、 一般の方にもわかりやすいし、 設計者としては、使えるネタ満載です。
例えば、 扇風機の消費電力はエアコンの1/10なんですよ、 とか、 エアコンを扇風機に変えると、2万円近く電気料金が安くなりますよ、 とか、 そういう数字があるので、イメージしやすいですね。
さて、エアコンがなくても快適な家を作るのに 重要なのが、日射取得と通風。日射取得については、太陽はいつ、どのように上るかがわかっているので、 ある程度、コントロールは出来ます。南側の窓には、60センチ程度の庇をつけ、 東西の窓は、簾や外付けブラインドなどで日射遮蔽をすれば、 まずは、大丈夫です。
問題は、通風
まずは、建てる敷地の卓越風の風向き(その地域で吹きやすい風の方向)を調べます。 例えば、南からの風が多いのであれば、南北に窓を設置して、 風が通るようにできれば大丈夫です。
地域ごとの卓越風を調べるのはこちらから。
これが基本なのですが、 廻りの環境や家の建ち方によっても違いますので、 なかなか難しいところ。それに完全な無風状態になっちゃうと、いくら窓があっても、 風は吹きません。
よくこんな感じの絵をみませんか? (わたしの自宅の断面図です)
南側に大きな窓があって、 北側の上部に小さな窓があり、空気の対流によって、風が流れるみたいな。
「エアコンのいらない家」でも、こういう図はありました。
確かに、風が少しでもあると、風は流れやすくなるのですが、 夏の無風状態の熱帯夜は、まったく風は通りません。こうなるとお手上げです。
もちろん、このように「風が通り抜けやすく」計画をすることは大事なのですが、 風は太陽と違って気まぐれです。期待しすぎると、がっかりしますので、気を付けてくださいね。
エアコン嫌いなら扇風機で
で、そんな無風状態の時に重宝するのが、 扇風機。
「自然界のやさしい風」を感じられるように開発された、 バルミューダのGREEN FAN は、今、とても人気のようです。
社長の寺尾玄さんは、元ミュージシャン。
ギターをドライバーに持ち替えて、人生をよりよくしたい、という思いから、扇風機を作ったんだとか。
ホテルにも採用されていて、なかなか、かっこいいので、チェックしてみてくださいね。
では!
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