先日、新国立競技場がザハ ハディトに決まった際の有識者会議の議事録が公開されましたね。
安藤忠雄さんが、技術、工期的な問題があることを認識しながら、コストも検討した結果、ザハを選んでいることがわかりました。
ザハを最優秀とした理由が、
・スポーツに必要な躍動感のあるデザイン
・祝祭性がある
・世界中の人達がここで競技したいと思う
・64年の東京オリンピックのように躍動感溢れる日本を表現できる
・こら日本の技術力を世界にアピール出来る
など、いずれも主観的で、
「こんな競技場があったらいいな!」 というレベルの理由でしかないことがわかります。
安藤さんの「世界中の人達がここで競技したいと思う」においては、為末大さんからは、
「競技場建設プロセスに選手の声が入ったことはない」
というツイートからもわかるように、完全な安藤さんの思い込みであることがわかります。
安藤氏はなぜ、そこまでザハに思い入れるのか?
森元首相は、生牡蠣みたい、と仰ってましたが、建築好きな人にとっては、ザハのこの作品が東京で見れるなんて、凄い!と思う人が多かったと思います。
安藤さんも色々と理由を上げていますが、単純にザハの作品を建てたい、見たいという自分の欲望を満たすために、推したのではないかな?と思われても仕方がないと思います。
私だって、お金をことを考えなければ、ザハの作品を見たいです。
[ad#ad01]
ところで、こんな設計者は信用出来る?
「リビングの吹き抜けは、ホームパーティーなどのハレの場の祝祭性を演出するために、三層分の吹き抜けにしました。 連続する和室は、茶室をイメージし、緊張感あるデザインにしています。 そして、このファサードは、地球環境に配慮した地元の木材をルーバーに加工し、バルコニーは、ウチとソトを中間領域として、云々」
よくわからないけど、予算は、3000万円しかないけど大丈夫?
「見積もりはこれからしますが、工務店が頑張ればなんとかなります。大工の技術の見せどころですしね!見積もりも勉強してくれると思いますよ」
あと、ウチはホームパーティーとか、年に数回しかやらないし、和室では、ダラダラしたいんだよね。 年に一度のハワイ旅行が家族の一大イベントだから、予算総額は3000万円以上は出ないよ。よろしくね。
じゃ、工務店の見積もり出たらもう一度来て。
建築業界ではよくあること
こんな設計者がいたら嫌ですよね?(苦笑)
実際の施主の立場に立てば、デザインとお金は、一体の話。本来なら、金も決まらない設計案に乗るわけにはいきません。
でも、実は、こういう相談を受けることは良くあります。
建物の魅力を施主に伝えて夢を膨らませておいて、お金は予算をはるかにオーバー、、、
[ad#ad01]
建築物は、あくまでツール
建築屋は、より良い建物を提案しようとしますが、 私達(施主)が求めているのは、 より良い暮らし、です。
建物は、そのためのツールでしかありません。
いくら素敵な家に住めても、家族旅行を我慢しなければならないのでは、良い暮らし、とは言えないのでは?と、私は思います。
国が施主となる、国立競技場は様々な条件や状況があるので、一概には言えないこともありますが、私達が家を建てる、のであれば、いたってシンプルな話です。
コスト意識のない設計者の被害に合わないように、気をつけましょうね。
では!
[ad#ad01]
関連記事