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【間取り診断事例紹介】ダウンフロアの考え方

こんにちは!一級建築士で家づくりコンサルタントの船渡です。

先日、ある大手の鉄骨系ハウスメーカーの間取り診断を行ったのでシェアしますね。
実は、公開OKを頂いている間取り診断事例、たくさんあるんですが、私がおいついておらず、、、でも、心を入れ替えて(笑)公開していこうと思います。

目次

兄弟姉妹のための終の棲家として計画

この家は、60代に差し掛かった5人兄弟姉妹の長女のアボさんです。
以前は、母の家に兄弟姉妹が集まって、お酒を飲んだりして楽しく交流していたのですが、母が亡くなってからは、そういう場所がなくなってしまいました。
子供も独立して自由な時間が増えたことから、今後もっと兄弟姉妹で交流する場として、母の家を建て替えたい、というのが今回の家づくりの目的です。

※この間取り診断依頼は、アボさんの娘さんから、ご依頼頂きました。

ダウンフロアをどう考えるか?

この間取りの大きな特徴は、北側のリビングのダウンフロアです。
アボさんは、ダウンフロアにとても憧れていて、この家に採用したいと考えていました。
ダウンフロアとはこんな感じのものです。

出典: 日曜美術館「小さな家たちの冒険」

こんな感じにLDKのリビング部分が下がっている感じですね。
※建築家 宮脇壇さんの名作 ブルーボックスから拝借しています。

この事例はカーペットですが、フローリングでも同じですね。床が下がることで、くるろげる場としての演出が出来たり、
座った時の視線を下げることが出来る、段差を背もたれとして利用できる、などのメリットがあります。

ただ、アボさんの家は、ダウンフロアといいながら、ちょっと違う感じでした。
リビングは、他の部屋と区画されていており、階段で段差を解消しているんですね。

ただ、アボさんは、おそらく、上記の写真のようなイメージをされていて、現状の間取りを理解されてない可能性があるな、と思いました。
そのため、こんなスケッチを描いて、ちょっと思ってるのと違うよ、という話をいたしました。

この場合、ただ部屋と部屋が段差があるだけ、になっていますね。あんまりメリットがありません。

で、もし、どうしてもダウンフロアにしたいのであれば、上記のようにすればダウンフロアっぽくなるよ、という提案もしています。

他、動線の話もお話しして、アボさんも納得されたようで、ダウンフロアは中止になりました。
脚の悪いお母さまを心配して、ダウンフロアに反対していた娘さんは安心されていましたね。

「ダウンフロア」という言葉にあるイメージで、とても魅力的に見えるっての、ありますよね。
「ウォークインクローゼット」とか、「シューズクローク」とか、「アイランドキッチン」などもそうです。
もちろん採用しても良いのですが、それによって、理想的な暮らしが実現できるのか?という視点でチェックすることが重要です。
若ければ勢いで作っても、老年期にリフォームや住み替えも可能ですが、50代以降に建てるのであれば慎重に計画したいですね。

日当りも簡易検討

毎度のことですが、住宅密集地のため、どのように太陽光が入るのか?を、12月、2月、6月、8月の南中時刻で検討しています。

上記は南側の敷地の建物が、3階建てになった場合の光の入り方ですね。吹き抜けの位置を変えています。
アボさんの計画はさらに、近隣住宅の高さを入力して、日影図による検討も行う予定です。

間取り診断動画の紹介

間取り診断の公開の許可を頂いたので、プライバシーがわからない範囲で公開しますね。
(この他に、敷地診断動画もございます)
最近の診断は、全部で90分~120分程度、話すことが多いです。ちょっと長すぎのような気もするのですが(笑)、話すことが沢山あるので、、、。下記動画は、そのまま編集なしで載せています。

診断編 (66分)

改善提案編 (42分)

間取り診断の感想

アボさんの娘さんから、間取り診断の感想をいただきました。

動画で具体的にわかりやすかったのと、間取りで生活動線などをシュミレーションしてもらいかなり想像しやすかったです。そして、船渡さんの推理される予測がかなり実感できるものでした。
船渡さんの絵のおかげで、計画していたダウンフロアが想像と違っていたことが理解できたようで、母がダウンフロア をやめました。ほんとに、間取り改善提案していただいて、金額以上の価値があったように思います!わかりやすく教えて下さりありがとうございました

私の間取り診断は、年配の方からの評判が良いってお聞きします。
なんでかなーっと考えたんですが、実は私、3年くらい集中的に50〜80歳の家づくりをサポートしている時期があったんです。その時の経験が活かされているかも?

設計の打ち合わせにはなかなか出れない場合でも、動画ならどこでも見れますしね。
二世帯住宅の場合にもお勧めですよ。(二世帯はちょっと価格がアップしてしまうのですが、、、)
>>間取り診断の詳細はこちら

では!

 

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この記事を書いた人

家づくりを通して、ライフスタイルをデザインして欲しい、という思いから、このブログを立ち上げました。二児の父でもあり、家事もバリバリこなすイクメンです。
一級建築士 / インテリアコーディネーター

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